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死にゲー的人生論 繰り返される3日間と5人の女神  作者: サジキウス
第2章 死女神との戦い
17/18

STOP

今日の投稿は遅れました

すみません……


気になった方は第1話からどうぞ

「テミスーーーーーーーーーーーーーー」


 俺は叫び出してた。


「和馬くんーー待って危ないよ」


 麻央の静止を振り切って俺は進む。

 もはや無我夢中だった。後先を考えぬ自殺行為だ。



「ほう、次は貴様か。さて貴様は何を見せてくれるんだ?」


 タナトスはそう言いながら刀を取り出す。


 実はこの時のタナトスは余裕そうな表情をしているが内心は焦っていたのだった。


(こいつ何者なんだ。神の権能まで達してる生き返りの能力もそうだが…… あのルール以外ではテコでも動かない鉄の女をどうやって配下に加えた……)


 一方の和馬といえば奇妙なことに歩きながら意識を失っていた。

意識を失ってもなお歩み続ける。傍から見てその姿は異形そのものだ。


「なんだと…… 敵の前で眠りをこくだと。いやそれ以前に何故眠りながら歩き続けられる」


 タナトスは考える。恐らくこれは作戦ではないかと。


(テミスがこいつに従ったということは考えうる能力は一つ、世界のルールの書き換え。だとしたらその発動条件は眠ることなのか? だとしたらもう私は術中に……?)


「なら今殺るしかないか」


 近づき刀を和馬に振り下ろそうとしたその時



 世界は静止した




(なっ……)


 突如として世界の時間は停止したのだ。どういうわけか自分の意識だけは鮮明に動かせる。しかし周りのものは全て動きを止めている。

 体が動かせない。周りを飛んでいた蜂もその動きを止めている。



「……」


 和馬はタナトスの前で立ち止まる。まだ目は瞑ったままだ。


(目の前に来てわかった。こいつの中身は恐らくさっきまでの高橋和馬とは別人だ。何かが奴の体を動かしている!!)




 一方和馬の脳内では



「クソっ離せってたんだ」


 和馬は黒い影のようなものに取り押さえられていた。動きを封じられ体のコントロールを奪われている。

 しかし視覚はある。どうやら自分は乗っ取られて勝手に動かされてしまってるようだ。


「何者なんだお前、俺の体の主導権を返せよ」


 和馬の必死の抗議に男はドスのかかった声で返す。



「私はお前の『意思』だ、普段はお前の心の中にいる。お前の前を向き続け決して諦めないという意思の具現化そのものだ」


「なんだよそれ!! その意思とやらがどうして俺の体を乗っ取るんだよ」


 男は返す。


「私はお前だったものだからだ。遠い昔の話だ。私は世界を見てきた。全て救えなかった世界を、ゆえにもう同じことは繰り返さない」


 男は和馬に見ておけと呟いてからいった。



「時間神の恩寵よ彼方まで届け」




 一方その頃タナトスは目撃した。和馬の腕に黒い拳銃が握られているのを


(あの拳銃どこから取り出した。そしてあの拳銃から伝わる禍々しい瘴気は……)


「この拳銃は神殺し、いや神堕としって言った方がいいかな。さすがに殺すことはできないが、これ程の瘴気を打ち込まれたらお前はもう今まで通り神ではいられず下級な霊に落ちるだろう。さあ滅び逝け」


(嫌だ嫌だ嫌だ)


 タナトスは手をばたつかせ抵抗しようとするが時間を止められているため動けない。意識だけでも動かせるだけさすがは神といったところだが。


 銃弾が発射される。




 しかしその時、弾は大きく逸れたところに着弾した。


「ぐっ」


 着弾音を聞いたその時、タナトスは自分が動けるようになってる事に気付いた。


「外した……!?」


 いやそんな訳はない。あれから漂って来た殺気は確かに狙ったものを外さない。そんな強い意思があった。



「よかった当たらなくて」


 和馬はそう言うと地面に倒れた。


「何故だ…? 何故、貴様は私の命を助けた。それも無理して体の主導権を奪い返してまで」


 タナトスの疑問は尽きなかった。もっとも和馬は眠っているので答えようもないのだが。


「貸しを作ったか。今回は見逃してやる」


 そう言いタナトスは消えたのだった。


第二章 死女神との戦い 完


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