overheat
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第1話を読んでない方は先にどうぞ
「戻ってきたぜ、俺の家!!」
クロノスの力で再び元の時間に戻れたわけだが今回は勝手が違う。麻央が来る五分前だ。
「とりあえずっと」
麻央に来てもらったら今回は困る。危険なことに巻き込ませたくないのもあるが……
「悪いな麻央、これは二人乗りなんだ」
ラインを送る。彼女は一応女子高生だ、猫っぽいけど。当然ラインもやってるのだ。
そして、次は
「疾風に連絡だ、今すぐ来てもらわないと……」
火矢疾風、彼はスピード狂の俺の友人だ。普段からバイクを乗りこなし(禁じられてるのに)バイク通学をしている。風を感じたいという理由で普段から学校に扇風機を持って来ている。
俺は彼の後ろの席だが真冬でも扇風機をガンガンつけるのはやめてもらいたい。
「よし繋がった。頼む疾風今すぐ来てくれ。俺は命を狙われてる。」
電話先からは風とエンジンの音が聞こえた。
「おーー和馬じゃねえか。事情はよくわからんが助けを求めてんだな。待ってろ今すぐ行ってやる。事情はその後聞くぜ」
しばらくすると外から爆音が聞こえた。俺は慎重に窓から出て塀に乗り移る。ここで死んだら元も子もない。
塀の下にはバイクが止まっていた。
「ありがとう疾風」
「なんだよあの蜂!! お前とんでもないのに命狙われてんな。まあ乗れ、かっ飛ばすわ」
恐らく彼はさっき玄関の方を見たんだろう。
俺が乗ると、バイクは加速する。後ろから蜂が追ってくるが追いつけない。
「よしっ!!」
思わずガッツポーズする。
「で? なんでお前はあんな蜂に追われてるんだ」
なんて答えようか迷う。がとりあえず思いついた適当な理由を言う。
「毎日違う蜂の巣に石を投げ続けたら蜂界で指名手配されちゃって」
「ハハハそれなら納得だぜ」
疾風がアホで助かった。
タナトスも強い神ではないならバイクに追いつけないはずだ。
「勝ったな」
そう言った次の瞬間、目の前に何かが飛び出してくる。あれはトラックだ……
ドシャーーン。俺たちの乗ったバイクは正面衝突した。