紹介されました。
ガルスに連れて行かれたのは、酒場のような場所だった。
「おまえ宿は決まってるのか?」
「まだ」
「だったらここにしろよ。安くてメシが美味いし、俺たちもいる」
「俺たち、ってのは?」
「これから紹介する」
そう言って、ガルスはカウンターで鍵を受け取ると階段を上がっていった。
私も彼の後に続き、階段を上がってすぐの部屋の前に立った。
「ディオ、いるか?」
ガルスは扉を叩きながら声をかけた。
すると中から返事があり、扉が開いた。
現われたのは、ボサボサの髪の男だった。
「寝てたのか?」
「……ああ」
「紹介したいやつがいるんだが」
「……誰?」
「こいつ」
ガルスはそう言って、私を前に出した。
私はとりあえず挨拶した。
「初めまして」
「……初めまして」
「……」
「……」
黙ってしまった私たちに、ガルスが言ってくれた。
「ディオ、こいつはハルカ。ハルカ、こいつはディオだ」
ガルスが私たちを紹介してくれたので、私はペコリと頭を下げて言った。
「よろしくお願いします」
「……よろしく」
またしても会話が途切れ、補うようにガルスが言った。
「まあとにかく中に入れてくれ」
そうして私たちはディオのいる部屋へと入った。