登録しました。
試合で実力を認められた私は、魔術師として登録することになった。
試合の立会いをしてくれたおじさんが、魔術で私の右手のひらに印を施してくれた。
そして右手を水晶玉のような物の上にかざすように言われて、私はそれに従った。
「これで登録完了だ」
そう言われて、私は登録証のような物は貰えないのかと訊いた。
すると、手のひらの印が登録証みたいなものだと言われた。
それに、街の出入りをする時の通行証代わりにもなるのだそうだ。
そういうものかと私が納得していると、ガルスが待ち兼ねたように口を開いた。
「登録は終わったな! じゃあ、俺んとこのメンバーになってくれ」
「ガルスのとこって?」
「“紅”っていうパーティーを組んでる。メンバーは3人。俺がリーダーで全員Cランクだ」
「……私は何ランク?」
「おまえは一番下のFだな」
「一番上は何ランク?」
「SSだ」
じゃあ、Cランクは中くらいか。
ガルスはまあまあの実力ってことだな。
「とにかく、冒険者としてやっていくのに必要なことを教えてやるから、来いよ」
そう言って、ガルスは私の腕を引っ張って歩き出した。
私はズルズルと引きずられるように歩いて行った。