表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/65

現実で王子に会いました。

 翌朝。

 豪華な朝食の後にメイドさんが言った。


「アリード殿下がお会いしたいそうです」

「アリード殿下?」

「第二王子のアリード・ゼクス殿下です」


 私は夢で見た王子を思い浮かべた。


「ぜひ会いたいです!」


 私は思わず言ってしまった。


「……ではそのようにお伝えします」


 メイドさんはそう言って退室して行った。

 ……ミーハーな女だと思われたかもしれない。


(いや、まだ女だとはバレてないから、権力者に媚びる男だと思われたかな)


 どっちにしてもあまり良い印象ではない。

 これからは言葉に気をつけようと思った。




 アリード王子がやって来た。

 興味深そうに私たちを見てから、王子は自己紹介を始めた。


「私はアリード・ゼクス・ロゼス。将軍職についている」

「……私はハルカ、この子はラギです」

「では、ドラゴンはラギのほうか?」

「はい」


 そう言うと、王子はラギをしげしげと見つめて言った。


「どこも人間と変わらないように見えるな」


 そして「ドラゴンに変身して見せてくれないか?」と言った。

 その期待の眼差しに私は「わかりました」と言って、外に出るために歩き出そうとした。


 しかしラギがしがみついて私を行かせまいとする。

 そしてラギが変身しようとするのを感じて、私は慌てて止めた。

 ところが、ラギは構わず変身してしまった。


「何で……?」


 私は呟いた。ラギはアリード王子の姿に変身していたのだ。


「……凄いな。私にも変身できるのか」


 アリード王子とお付きの人が驚いている。

 私は「戻って」と言ったけれど、ラギは首を振って私に抱き付いてくる。


 私は慌てた。イケメンに抱き付かれるなんて、初めての経験だ。どうしていいのか分からない。


 私が真っ赤になって固まっていると、ラギは嬉しそうに喉を鳴らして頬擦りしてくる。


「ラギはハルカが大好きなんだな」


 アリード王子が笑って言ったが、私にとって今の状況は笑い事ではない。


(どうしたらいいの〜)


 そんな私に構わず、ラギは私を抱き締めてスリスリし続けていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ