お風呂に入りました。
目を覚ますと、すぐそばでラギが私を見ていた。
ラギは起きて見張りをしていたようだ。
オルムに二人で暮らしていた時は私と一緒に寝ていたけど、ここでは警戒して眠れないのかもしれない。
私はラギに眠っていいよと言おうとして、はたと気付いた。
(そういえばメイドさんが、夕食の時間までお休み下さいって言ってたっけ)
今は何時くらいだろうと思って窓の外を見れば、もう夕暮れ時だった。
私はベルの存在を思い出し、それを鳴らして人を呼んだ。
そしてメイドさんがやって来ると、私は夕食の時間はいつなのか訊いた。
「よろしければ、これからお持ちいたしますが」
「お願いします」
私は夕食を部屋に運んでもらい、給仕は断わって二人きりにしてもらった。
夕食は、ドラゴン用のメニューなのか、肉類が多かった。
(これもしかして魔獣の肉なのかな……)
そう思いながら口にしてみたけど、何の肉かは分からなかった。
けれど、とても美味しかった。
(まあ、何の肉でも私たちは食べられるからいいや)
そう思って、私はラギにも食事を勧めた。
ラギも美味しそうに食べ始めたので、私も次々と料理を平らげていった。
二人で全ての料理を食べ終わると、ベルを鳴らしてメイドさんを呼んだ。
メイドさんたちが食器を片付けている時、私たちはお風呂に入ることを勧められた。
(もしかして臭うかな……?)
オルムでもちゃんと水浴びをしていたけど、服は水洗いだけして着ていたから臭うかもしれない。
私は着替えを持って部屋を出ようとしたけど、メイドさんに、お風呂はすぐそこだと教えられた。
なんと、この部屋には専用のお風呂とトイレがついていたのだ。
私が隣の部屋に繋がっていると思っていた扉は、お風呂に繋がっていたのだった。
メイドさんの手伝いを断わって、私たちは一緒にお風呂に入った。
石鹸を使って身体を洗うのは久しぶりだ。
私は先にラギの身体を洗ってあげた。
私の姿に化けているラギの身体を洗いながら、双子の姉妹がいたらこんな感じかなあと思った。