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バレました。

(どうしよう……私の言葉だけが通じてるなんて今まで気付かなかった)


 私が同じドラゴンだから通じてるのか、私だけの能力なのか分からないけど、どうにかごまかさないとまずい。


 私は魔術で、と説明しようと思ったが、それだと皆の言葉が通じるようにしろと言われたら困る。


(どうしよう……)


 私が言い訳を考えている間、皆が私を見つめている。

 するとラギの気配が変化するのを感じた。


「グルァ!」


 私が慌てて振り向くと、ドラゴンに変身したラギが怒ってカイたちを威嚇しているところだった。

 私が苛められているとでも思ったらしい。


(人前で変身しないように言っておいたのに……)


 どうやら、怒ると変身が解けてしまうらしい。


「ドラゴンは人間の姿になれるんだな……」


 カイが冷たい目で私を見る。

 私がラギを手放さずに連れて行こうとしたのを怒っているようだ。


 私はラギに人型に戻るように言った。

 するとラギは、子供の姿ではなく私そっくりに変身した。

 そして私を守るように抱き締めた。


「ドラゴンが変身することを、アストニアの国王は知っているのか?」


 カイが冷たい眼差しのまま訊いてきた。

 するとラギが、私をカイから隠すようにしながら「グルル」と唸った。


「俺はドラゴンの敵じゃねえよ」


 カイが肩を竦めて言ったけど、ラギにカイの言葉は伝わらない。

 変わらず威嚇し続けるラギに、カイは「参った」と呟いた。


「なあ、俺は敵じゃないって言ってくれよ」

「……ちゃんと私の話を聞いてくれる?」

「……ああ」


 それで私はラギに「敵じゃないから大丈夫」と言って頭を撫でた。

 するとラギは唸るのをやめたが、警戒は解かなかった。


 私は再び火のそばに座って、彼らに説明を始めた。


 まず、アストニア国王は、ドラゴンが変身できることを知らないと思うと言った。

 するとカイが「なぜ?」と訊いてきた。


「この子にはずっと魔力を封じる魔道具が付けられてたから」

「けど、魔道具が付けられる前は?」

「その頃は変身できなかったみたい」


 私はラギに「今まで人間の前で変身したことなかったよね?」と訊いた。

 するとラギはコクンとうなずいた。


「何であんたの言葉だけ通じるんだ?」

「さあ? ラギが私のことを好きだからじゃない?」


 そう言うと、ラギがコクコクとうなずいた。

 そして私に抱き付いて頬をスリスリしてくる。


「……確かに、すげぇ好かれてるな」


 カイが呆れたように言った。

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