再会しました。
私はライたちが野宿しているところにラギと共に向かった。
「うおっ! ハルカじゃないか!」
ライが、突然現われた私に驚きの声を上げた。
「魔獣かと思った」
キースは笑いながら、私を迎えてくれた。
「……その子供は?」
密偵のカイが、私が背負っているラギを不審そうに見ている。
「この子はラギ。拾ったの」
私がラギを降ろして紹介すると、カイが「どこで?」と訊いてきた。
「このオルムで」
「……親は?」
「いないみたい」
「捨て子か」
「たぶん」
それでカイは納得したようだ。
私がホッとしていると、キースとライが火のそばに招いてくれた。
私たちは火を囲んでお互いの近況について話し始めた。
「ハルカは密偵として手配書が回ってるぜ」
「やっぱり。……キースたちは?」
「俺たちはお尋ね者にはなってない」
それを聞いて安心した。
「ハルカは今までどうしてたんだ?」
「私はずっとオルムで生活してたよ」
「ハルカはどこでも生活できそうだもんな!」
「いいでしょーどこでも暮らせて」
ライと笑って軽口をたたき合う。
私は会話するのが久しぶりだったので嬉しくなった。
ラギにも言葉を話させようとしたのだが、なんだか唸るような声しか出なかったので諦めたのだ。
それでも、ラギは言葉を理解してるしうなずいたりして意思疎通はできるので、話せなくても問題ないと思っていた。
ところが、キースがラギに話しかけた時に、ラギが言葉を理解しているわけじゃないことが発覚した。
「おまえ、幾つなんだ?」
キースがラギに訊いたけど、ラギはきょとんとして答えない。
私はラギの代わりに「3歳だよ」と答えた。
「言葉が通じないんじゃないのか?」
カイがそう言ったけど、私は「そんなことないよね」とラギに言った。
するとラギはきょとんとしている。
私は急に不安になって、ラギに「私の言葉、分かってるよね?」と訊いた。
ラギはすぐにコクンとうなずいたが、続けてカイが「俺の言ってること、分かるか?」と訊いたら、またきょとんとして答えなかった。
私が「この人の言ってること、分かったよね?」と訊いたら、ラギはブンブンと首を振った。
「ハルカの言葉だけ通じてるみたいだな」
「……どういうことだ?」
キースが不思議そうに言い、カイが不審そうに訊いてきた。
私は窮地に陥った。