断りました。
昼過ぎになってから、国王たちがやって来た。
「返事を聞こうか」
国王が偉そうに言った。
私はそれを醒めた目で見ながら、一言「お断りします」と答えた。
すると国王のこめかみにピクリと青筋が立った。
「……なんだと」
国王は不快げに顔を歪めて私を見た。
「余の誘いを断る気か」
怒っている。
私が承諾すると思い込んでいたようだ。
(自分の思い通りにならないと、癇癪おこすタイプかな)
面倒臭そうと私は思った。
「ギルカート、この者を捕えよ!」
案の定、国王は声を荒らげて私を捕えるように命令した。
するとまたフードを被った男が現われて、魔術で私を攻撃し始めた。
昨日の男とは名前が違うから別人なのだろう。攻撃も、昨日の男と違って無詠唱だ。
私は結界で防ぎながら、男の様子を観察していた。
すると隣から魔力が膨れ上がる気配がした。
見ると、レキが口からブレスを吐こうとしている。
私は咄嗟に、レキの口を誰もいない方向へと向けた。
その次の瞬間、ドラゴンブレスが発射されて、その方向は見るも無惨な有様になった。
それを見て腰を抜かした人が何人もいて、その中に私を攻撃していたフードの男も含まれていた。
もはや私を攻撃するどころではないようだ。
(まあ当然よね。自分がああなるところだったんだから)
私はヒラリとレキの背に乗ると、小声で「飛んで」と言った。
レキは素直に私を乗せて飛び立った。
下からは「攻撃しろ!」と言う声が聞こえたけど、レキはあっという間に雲の上まで上昇してしまった。
「レキ、一緒にロゼスに行こう」
私がそう言うと、レキは嬉しそうに「グオウ」と鳴いた。
私はレキに飛ぶ方向を指示して、オルムに着くまでの空の旅を楽しんだのだった。




