魔道具を壊しました。
魔道具はレキの足首についていた。
継ぎ目が見つからないので、私は力任せに外そうとしたが駄目だった。
それで今度は魔力を流し込んでみた。
すると魔力が吸い取られていくような感じがした。
私は魔力を流すのを止めて考えこんだ。
(魔力を大量に流し込めば壊れるかもしれないけど、ドラゴンの魔力を封じる力があるんだから、私のほうがもたないかもしれない)
それで私は魔道具の元になっている金属に働きかけることにした。
(全属性があるって便利)
私は金属性の力を使って魔道具に干渉を始めた。
しばらくすると、魔道具が変形し始めた。
私はそれを薄く引き伸ばすようにして、輪を広げていった。
レキの足から外れる大きさになったところで止めて、私は魔道具を外そうとしたが外れなかった。
……どうやら壊さないと駄目らしい。
私は目一杯薄く引き伸ばしてから、それを引き千切るようにして破壊した。
それから私は破壊した魔道具の欠片を集めて、元の形になるべく似るように金属性の力を使って作り直した。
カムフラージュのために、レキにつけておこうと思ったのだ。
レキにつけて形を整えると、私はレキからちゃんと魔力を感じることに安心して、再び羽の下に潜り込んだ。
そして、すやすや眠るレキの身体を撫でながら、しばしの休息をとるために私は目を閉じたのだった。