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王都に着きました。

 三か月かけて、私たちはやっと王都に到着した。


 馬車で一緒だった人が安くて食事の美味しい宿を教えてくれたので、まずはそこに部屋を取ってから、私たちは王都見物に出かけた。


 王都はさすがに国の中心地だけあって活気に溢れていた。

 私たちは人込みの中をはぐれないように気をつけながら、色々な珍しい物を売っている店を見て回った。


 キースが武器屋を見つけて立ち寄ろうとした時、「ドラゴンだ!」と言う声が聞こえた。

 私が慌てて辺りを見渡すと、皆が王城のほうを見ている。

 私もその視線の先に目を向けると、一頭のドラゴンが城の屋根の上にいるのが見えた。

 しかし、そのドラゴンからは魔力が感じられない。

 私は不思議に思いながらドラゴンを見つめていた。

 すると、ドラゴンがこっちを見た。目が合ったような気がした。


 ドラゴンが突然こっちに向かって飛んできた。

 皆が慌てて逃げようとする。


「大丈夫だ! ドラゴンは人を襲わない!」


 誰かがそう叫ぶ声が聞こえた。

 しかしドラゴンは真っ直ぐこっちに向かって来る。


 真上に来たと思ったら、私の身体はドラゴンに掴み上げられていた。

 人々の悲鳴が聞こえる。


「ハルカ!」


 キースの叫ぶ声がする。

 ライがこっちに向かって来るのが見えた。


 ドラゴンは私を大事なもののように抱え込んで、そのまま上空へと上がっていった。


 密着している身体から伝わってくる気配に、私は覚えがあった。


(夢の中のドラゴンだ)


 やっぱりこの世界に無事に生まれていたんだという感慨と、何で私をさらうんだという憤りが私の中でごっちゃになった。

 私は自分の心を静めようと努力しながら、キースとライが心配しているだろうなと考えていた。

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