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街を移ることにしました。
冒険者になってから三年が過ぎた。
私は18歳になっていた。
夢の中では相変わらずドラゴンの夢に追いかけられ、現実では魔獣退治のプロとして有名になり、ランクもAに上がっていた。
(そろそろこの街を出ようかな)
こんなに長くいるつもりはなかったのに、つい居心地が良くてとどまり続けていた。
有名になるつもりなんてなかったし、そろそろほかの街に移ったほうがいいかもしれない。
私はキースとライに街を移ることを告げて、彼らはどうするのか訊いた。
「俺たちもついて行くよ」
キースがそう言って、ライも同意した。
私は申し訳なく思って訊いた。
「でも、二人はこの街に居たいんじゃないの?」
すると彼らは顔を見合わせて言った。
「何言ってんだよ。冒険者ってそういうもんだろ」
そう言われて、私は心が軽くなった。
私は彼らといつまで一緒にいられるか分からないけど、別れの時がまだ先に延びたことを嬉しく思った。
「じゃあ、これからもよろしく」
「ああ」
「よろしくな!」
キースとライが笑顔で言ってくれた。
そして私たちは、次はどこに行くかを話し合うのだった。