荷物持ちを雇いました。
翌朝。
朝食を摂ると私はギルドに向かった。
そして掲示板に張られた依頼書を見ていると、二人組の男に話しかけられた。
「おまえ“紅”に入らなかったんだって?」
筋肉の凄いほうがそう言った。
「実力があり過ぎるからだってのは本当?」
細身のほうがそう訊いてきた。
私は「さあね」と言って、一枚の依頼書を剥がして受付に行こうとした。
すると男たちは慌てて言った。
「待てよ、話があるんだ」
「……話って?」
「俺たちを荷物持ちに雇ってくれないか」
「荷物持ち?」
そんなことを言われるとは思わなかった。
「ああ。俺たちもまだ登録したばかりのFなんだけど、雑用ばかりじゃ宿代にも困ってさ」
「かと言って、魔獣退治するほどの腕はないし」
「……強そうなのに?」
私は筋肉男のほうを見て言った。
すると細身のほうが「こいつは見た目だけ」と言った。それからすぐに「でも体力はあるから」と付け足した。
「……解体もできる?」
私が訊くと、細身のほうが「ああ! 俺は器用なんだ」と言った。
「……じゃあ、とりあえず今日はお試しで」
私がそう言ったら、二人とも顔をぱあっと明るくさせて「わかった」と言った。
そして私は彼らに儲けの三割を支払うことを約束して、魔獣退治に出かけたのだった。