楽勝でした。
結果として、魔獣退治は楽勝だった。
角熊は私を見ると一目散に逃げ出した。
それをポカンと見つめる“紅”のメンバーの傍らで、私は角熊を全て氷漬けにしてやった。
「すげぇな、ハルカ」
ガルスが褒めてくれたけど、あとの二人は「解体できない」だの「持って帰るのは重い」だのと文句を言っている。
「氷溶かせばいいんでしょ」
私は氷を蒸発させた。
それを見てガルスはまた「すげぇな」と言ってくれたけど、あとの二人は無言だ。
……まあ、文句言われないだけマシかな。
解体は彼らに任せて、私はのんびり景色を眺めていた。
(解体してくれる人がいると楽だなあ)
“紅”に入ってもいいかな、と私は思った。
解体が終わり、必要な部位だけを袋に詰めて、私たちは荷物を背負って帰路についた。
ギルドに戻ると、ハヤトが言った。
「ハルカを入れるのは反対だね」
「俺も、そう思う」
ディオも、そう言った。
「……そうだな。ハルカはパーティーを組む必要がないな」
ガルスまでもがそう言った。
私は入ってもいいかなと思っていたから、そう言われてショックを受けた。
「……じゃあ、パーティー登録は解消だね」
私はそう言って、受付のお姉さんに解消してくれるように言った。
気を抜くと涙が出そうだった。