依頼を受けました。
ガルスは掲示板から一枚の依頼書を剥がした。
「これにしよう」
その内容は、角熊が街道近くに巣を作ったので駆除してほしい、というものだった。
角熊というのは名前の通り、角の生えた熊の魔獣だ。しかし、地球の熊よりだいぶ小さく、群れで襲ってくるという。
私はまだ魔獣を見たことはないが、村長の家で魔獣図鑑を読んだので、だいたいの魔獣のことは知っている。
ちなみに、魔力の強い獣を魔獣と言い、魔力の弱いものは普通に獣と言う。私のような魔力の強い益獣(ドラゴンは魔獣を食べるそうだ)は聖獣と言う。
ガルスは受付のお姉さんに依頼書を渡して「パーティーで受けたいんだが」と言った。
それから「こいつのパーティー登録も頼む」と私を指して言った。
「ちょっと、私はまだ……!」
私が慌てて言うと、ガルスは「仮登録だ」と言った。
それで私は安心したけど、「今日だけですから」と受付のお姉さんに言っておいた。
ガルスは「信用ねえなぁ」と苦笑していた。
「安心しろ。ちゃんと今日限りだから」
そう言ったのはハヤトだ。
……こいつにはぜひとも入ってくれと言わせたい。
そうして私たちは魔獣退治に出かけたのだった。