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転生(終)

桜木警察署2F

激情になって周りが見えないサーシャは、エレナとユキトウを相手に互角の戦いとなっていた。

お互いが少しづつ傷を増やしつつあるが、サーシャは完全に覚醒しており、傷の回復が後を絶たなかった。

「なんだよ、こいつ…傷ついても、すぐに傷が塞がりやがる!」

「そうね。これじゃあ、一人の相手のはずがまるで大群と戦ってるような感じで怖いわよ」

エレナとユキトウは背中合わせで苦を語る。

「だがな…!」

「ツメが…甘いのよね!」

二人は気を解放する。

エレナは拳銃に気を纏わせ

ユキトウは手枷の鉄球に気を纏わせた。

「くらえっ!」「くらえ!」

拳銃の引き金を引き、鉄球を勢いよく振るった。

傷の修復に沈黙していたサーシャにそれは命中する。

避けようと思えば避けれるものが、何故か避けなかった。

更に傷が増え衝撃で吹き飛んだサーシャは地面に突っ伏した。

「手間のかかる奴だ。だが、あっけなかったな」

「所詮53番目のゴミ妹よ」

二人はもう一度気を解放し、サーシャを桜の二の舞になる瞬間…

二人の攻撃は阻止されたのだった。


桜木警察署3F

一方その頃、フェイルはカレアと激闘を繰り広げていた。

お互いに冷静な性格な為か、対処するところが互角の戦いとなっていた。

「なかなかやるじゃないか。ボクと互角に渡り合える者等、何年ぶりだろうね」

フェイルは少々冷や汗を書いていた。

「リーダーとして、この程度は計算の内です」

カレアは更に警戒を強めた。

「妙に熟練の能力者だな…!まさか!?」

フェイルはカレアの正体に気付いた。

「屠殺者の中でも特に優れた力を持ち、凶悪犯罪者として、ここに囚われた能力者三人組…」

フェイルの中で死という概念が生まれた。

「君達か、ゴーストを巧みに使うのは」

そうまで言われてもカレアの表情はまるで変わらなかった。

「じゃあ、そろそろ死にますか?」

カレアは腕を振り上げるようにして一回転をすると、途端に半透明のカレアが三人現れる。

「なっ!?」

フェイルはその三体のゴーストを見て驚く、通常、一体の使用でも気の消費量と無防備な危険が伴うというのにも関わらず、この銀髪の女性は三体

しかも主は平然としているところを見ると、どうやら操ることもできるようだ。

「なんて子だ…総合的には桜とでも互角じゃないのか…?」

フェイルの中で死亡率が上がった。

「覚悟…」

そして三人のゴーストは一斉にフェイルに向かってきた。

一人目のゴーストはフェイントをかけたあとからの一撃

二人目はその間に宙を舞い、空中回し蹴りをかける。

三人目は地上で待ち構え、腕を横に薙って気光破を放った。

どれもカレアと同じ強さで、ダメージは3倍にも及んだ。

気光破のよって吹き飛び、フェイルは地面に突っ伏した。

「くっ、ゴーストの一撃も大きい…能力者としては一流だな」

呼吸を荒くして、フェイルは立ち上がる。

「屠殺者と言われてから、私は運命を呪った」

ゴーストの三人が消え

本体のカレアがフェイルに近づいてくる。

「この世の人というのは、どうしてこうも差別の激しい人ばかりで引き締まっているのでしょう?」

うつむき始め、気が増幅していく

「まずい…更に強大になる!」

フェイルの予感は的中した。

この女性…カレアはラー家にも及ぶ程の能力者だと

「屠殺者の使命はわすれない…そして私個人の意志として、あなたも同罪!」

再び、ゴーストを三体呼び起こす。

「死を持って償わせます。覚悟!」

三体と共に本体も向かってきた!

ぼろぼろのフェイルはそれに対して、残る力をふりしぼるのだった。


桜木警察署2F

仰向けに倒れていたサーシャは微動だにしなかった。

しかしエレナとユキトウはその身体を何かに掴まれた。

「なにっ!?」

「きゃあ!なによこれ?」

二人の地面から赤い蔦の様なものが巻き付き持ち上げていた。

「ようやく捕らえましたわ…」

微動だにしなかったサーシャが気でそっと起き上がる。

「うあぁぁぁぁーーーーーっ!」

絶叫を上げエレナの身体が消滅した。

「エレナッ!」

捕縛のなくなった片方の蔦はゆっくりと地面を潜っていく

「あとはあなただけですわね!」

赤く強い眼力でユキトウを睨みつける。

「ぐっ!なんて力だ!!」

ユキトウに巻き付いた蔦がサーシャの気に比例して、強く締め付ける。

「ぐああっ!」

その間にもサーシャはこく一刻と気の緩みを見せなかった。

ギリギリ!と締め付ける蔦に次第に炎の気が送り込まれユキトウを焼き付けていく

「ぐうぅ!うああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!」

ただでさえ締め付ける力の強さに加えて、身体が焼けるように熱い、ユキトウはすぐに限界を迎え、全身が黒く焦げついていった。

しかしサーシャの怒りはとどまるところを知らず、カレアのいる三階へと向かっていったのだった。


桜木警察署3F

龍の首がフェイルの右腕から現れる。

咄嗟に見えた気の解放から、本体のカレアだけは気付いた。

三体のゴーストは龍首の出現に対応できず薙ぎ払いを直撃する。

本体のカレアは後ろに高く飛び上がり、この状況を唯一回避できた。

地面に着地し、冷静さを欠いて、本心を言葉に上げる。

「大龍…なかなかやるじゃないの」

そして改めてフェイルの腕から現れた龍の首をみる。

「今の今まで能力を隠していたのは、この為ですか?」

そういって再び覚醒しゴーストを三体に増やす。

しかし、カレアは更に高度に本体を合わせてフェイルを囲むような位置に出現させた。

「その能力は自らの行動を封じて使用する能力…つまりあなたは今や、砲台と変わりない訳です」

三体のゴーストがフェイルに向かってくる。

それぞれが武器を持って

「さようなら。後方に今更、腕を翻したり、龍を封じたところで間に合わないでしょう」

カレア決まったとばかりに目を閉じた瞬間!

ドスッ!と側面と背後から生々しい音が聞こえたはずだった。

驚いてカレアは目を開けた。

それはゴースト三体の気の反応が消えた事

そしてフェイルは宙を舞っていた。

その腕には龍の首は確かにあった。

大龍の使用中は動けなかったはずだ。

それがなぜ…?

「どうして動けるのですか?」

カレアはその言葉を放つ

「僕と対峙した能力者はみんな勘違いをしている」

その問いにフェイルは言った。

「能力は皆、使い方次第さ。大龍はあくまで動けないだけだ」

そういってカレアに龍首を伸ばした。

「砲台などでは断じて違う。龍首の長さをその身をもって知れ!」

龍首が口を開きカレアに喰らいつく

だが、間一髪、後ろに飛んで回避したカレアは地面に付いたあとバック転をしてフェイルを再び見た。

同じように地面についたフェイルは赤き眼を携えていた。

「龍首を地面につければ本体を動かすくらいは造作もない事だ」

龍首を腕に戻すと、龍を封印した。

「もう僕に油断も隙もない。お前はついてこれるか?」

代わりに右腕には緑色の鱗が形付いたようなナイフを持っていた。

「大龍の剣、これはほんの一部の破片だ。それでもお前の身体は貫ける」

そう言った途端、そう言ったとたんはカレアに向かって高速で走る。

能力者では不可能な速度は、カレアの目でも追いつくのがやっとだった。

そしてフェイルの一撃が今まさに、放たれようとした時!

致命傷を受けた。

「ぐはっ!!」

フェイルは全身に無数の針の一撃を受けていた。

そしてフェイルの目がカレアを見た。

カレアの衣服のいたるところに小さな穴をあけ、そこから無数の針状になった皮膚が飛び出していたのだ。

「イデアル…フォーム」

カレアは能力名を言った。

ドサッ!とフェイルはたおれ、傷の一部を腕で抑える。

即座に距離を離す事を決めた。

しかし、無数の出血とともにできた傷が脳から命令を受けた体の動きを制止する。

同時に体の神経が薄れていく。

「まさか…お前?」

カレアは全身に麻痺毒を仕込んでいた。

この能力だけではそれほど対した威力は持たないはずだ。

それをフェイルは知っていた。

そしてこの神経の麻痺…想像を絶するほど意識が薄れていくのが早い事がわかる。

「私の生まれ持った能力、麻痺毒の進行を抑える力で、私は麻酔の類が効かない」

カレアは能力者の中でも才能に好かれた能力者だった。

「大怪我をして受けることになったあの手術の時の私は、本当の自分を失ってしまいそうでした…激痛に絶叫する私は、自力で怪我を治す力をも得た」

カレアの目には次第に涙を浮かべだした。

自らが望んだわけでもない、あふれる才能はカレアにとっては悪夢でしかなかったからである。

「私は死ねない。死ぬのならせめて誰かに殺されたい。痛みを感じることすらできなくなるまでに傷をつくって…」

その時、非常階段の扉を吹き飛んだ。

気付いた時には既に遅かった。

吹き飛んだ扉を直撃するカレア

現れたのはサーシャだった。

人差し指を扉に下敷きになっているカレアに指し

「ならば、殺してあげますわ!桜姉さまと同じように」

下敷きの状態から扉を蹴り飛ばしカレアは起き上がる。

「あなたの能力も近接でしょう?おやめなさい、ここで逃げればこの方と共に命だけは助けてあげましょう。さあ」

そういってサーシャに降伏を命じたがサーシャは無視して、カレアに勢いよく向かっていく

燃えるような炎を帯びた拳を固く握り、カレアに向かって振るった。

直撃の寸前にカレアがもう一度イデアルフォームを放ったが…

ドボアアァーッ!

針の皮膚に拳が触れた途端、二人は火車に包まれた。

そして、次第に炎は消えていき、二人の姿が見えてくる。

サーシャは、黒く染まった人の体内物質をえぐっていた。

カレアはその物質を奪われたことによって完全に事切れていた。

「これでおわりですわ、あなたもようやく才能の呪縛から解放できたじゃないですの」

そういって、炎の龍をそっと自らに治めた。

「見事だ、サーシャ…くうっ!」

それを見たフェイルはサーシャをほめたのだった。

「フェイル!」

すぐにサーシャはフェイルの元に向かっていき肩を貸した。

こうして半幽体化能力の屠殺者は全滅させたのだった。


桜木警察署2F

サーシャとフェイルは亡骸となった速峰:桜を見る。

最初に言葉を放ったのはフェイル

「酷いな…顔面が破壊されている。これでは万が一命があったとしても元に戻すのは不可能だろう」

「桜姉さま…う、うわあああぁぁぁーん!」

残酷な迄にボロボロの姿になった実の長女を二人はただ嘆くしかなかったのだった。




23:55 セイレーン教 教祖の部屋

「やはり君は死んでしまったんだね」

何もない、しかし、そこには魂が浮かんでいるのがはっきりと見える黒葉美運は言葉を放った。

一日が終わろうとしている時間…新たな日付を前にしている時。儀式は行われていた。

「君の死は不幸の連なりによって起こった事だよ」

たくさんの修道者達が祈り佇んでいる中で黒葉は一人、無数の蝋燭に向かって語りかける。

「君はちゃんと蘇らせる。ただし君の体は損壊が酷い…特に顔に至っては僕好みに修正をかけさせてもらうよ。それと生前の記憶は全て消させてもらう」

黒葉にしか見えない魂は嫌がるような、頷く姿勢を見せた。

「まあ、ひとつだけ、少しだけ目的を与えてあげるよ」

目を閉じ念をかけながら黒葉は言葉を放つ

「地球を守る使命…それが僕が与える目的だ」

そういって呪術を解き放った。

魂の持ち主であった体が徐々に再生し始め、やがては人をかたどった。

「世界を守り抜いてみせるんだ…僕はそれだけのためなら君の無限の希望を与えよう。解!」

溢れ出す光源と共に速峰:桜…基、転生した直後の身体…

「さあ、仲間を集め、コンプレクシティを滅ぼせ!羅ー!」

満ちてくる力で教会のガラスを破壊し、外界を瞬速の如く駆けていった。


…THE END…

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