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1、遅刻者根絶計画  作者: 黒十二色
第2章
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第2章-1 反省して修正していかなければならないな

 火曜日。

 目覚まし時計から「ピヨピヨ」という鳥の声のような音がして、俺は目覚める。

 十二月の冷気が俺を二度寝へと誘おうとしたが、もう二度と遅刻しないということを初めて他人に誓ったことを思い出し、飛び起きた。

 時刻は六時。

 間に合うように家を出るリミットまでは二時間以上あった。

 遅刻を絶対にしないこと以外で、何か忘れていることがあったような気がしたが、多分気のせいだろう。

 俺はとにかく、遅刻だけは絶対してはいけないということだけを心に刻んだ。

 遅刻をすると、まことちゃんという謎の少女に「幸せになれない呪い」を掛けられてしまうからだ。

 どんな呪いかはわからないし、この世に本当に呪いなどという科学的根拠の無いオカルトが存在しているのかどうかというのは大いに疑問であるが「幸せになれません」なんて言われたら良い気分はしないだろう。

 それに、もう遅刻したくないというのも本音だ。

 何故なら俺は、あんじぇらの彼氏なのだから。

 もしも俺の恋人が遅刻魔だったとしたら嫌だもんね。

 江夏も言っていたが、遅刻されて良い気分になる人間なんて、一部のマゾヒストくらいのものなのだ。

 つまり、今までの人生で散々遅刻しまくってきた俺は、皆を嫌な気分にさせていたということになる。反省して修正していかなければならないな。うむ。

 シャワーを浴びて着替え、朝食を摂り、歯を磨くなどして準備を整える。

 その間ずっとテレビはつけっぱなしだった。朝のニュースも二周目に入っていて、軽いデジャヴを感じながら、ボーッとしていた。

 両親は、俺が起きるより前に十泊ほどの優雅な海外旅行に行ってしまっていて不在だった。だから、仮に俺が目覚まし時計で起きられなかったりすると、遅刻確定の呪いコースまっしぐらなので、これからの数日は特に注意が必要だ。

《それでは、今日の占いでーす》

 朝のニュースの締めくくりの占いに差し掛かったのを合図に、俺はテレビの電源を落として硬い木製の椅子から立ち上がった。

「よし、行くぞ」

 俺は呟き、玄関の外に出た。

 予想通り、寒かった。




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