第二章 小さな足跡
私の名前は 田原白雪 17歳
趣味は読書。一般的には明るいとは言えない性格だがそんな自分が好きでもあった。
「わりい白雪、消しゴム貸して?」
こいつは幼なじみの 吉田大和 私とは対照的で明るく、イケメンでクラスの人気者だ。
「私なんかと関わると変人に思われるわよ」
「なんで?幼なじみなんだからいいじゃん!」
実際に変な噂が立ったこともあった。
私はクラスであまり目立ちたくないからすごく嫌だったけど、内心嬉しさもあった。
「明日から夏休みだけど何か予定あるの?」
「私はいつも通り図書館と家の往復よ」
「たまには外でようぜ!
山でも行かない?」
「一人で行きなさいよ。」
「頼む!富士山を登るにはお前の知識が必要なんだ!」
やれやれ、一人じゃ何にもできないんだから、、
「じゃあ明日な!」
私は本当は少し楽しみだった。
大和と二人でいられるのが。
当日の朝はとても良い天気だった。
二人は登り始めた。
まるで今までの人生を振り返るようにゆっくりと。
「うわ!雨降ってきた??」
「こんなこともあろうかとかっぱ持ってきたんだ!はい、白雪の分!」
「気が効くじゃん!」
しかし雨は強くなるばかりだ。
一旦あの山小屋に入ろう!
次第に雷も鳴り始めた。
まるでこの先の出来事を予言しているかのように、、、




