水虫のある先輩(陽キャ)
水虫は、マジで、かゆい。
「私の家でお菓子会しない?」
「ハロウィンだから?」
「ハロウィンだから!」
「アタシは賛成」
「…」
「「さっきから黙ってるけど、どうするの?」」
「ゴメン! わたし、彼氏と予定が!」
「「ノロケかよ!」」
「どう思う? 不自然じゃなかった? このやりとり」
「とりあえず、いつも言うけど僕は彼氏ではありませんからね?」
そう返し、僕はため息を吐く。
先輩(高2)から、やりとりを聞かせられ、この反応。
僕の部屋。
先輩は裸足で、お菓子を食べている。
テーブルの上には、お菓子の袋が散乱。
裸足、とは。
「困っちゃうよね、絶対裸足にならないといけないじゃん」
「なってますよ? 僕の部屋で」
「水虫なのに、わたしの両足」
「僕が水虫にならない体質でよかったですねー」
「かゆくなるから困っちゃう」
「陽キャなのに…」
そう、陽キャ。可愛くて、明るい、人気者。
なのに、両足が水虫。
僕が唯一知っている。どうやら、先輩の家族も、驚愕の事実を知らないらしい。
自分だけが知っている秘密、だが水虫。
「最悪だ…!」
「こっちも最悪なんだけど? 温泉も入れないし、水泳も見学だし、柔道の授業も見学なんだよ? 簡単に裸足になれない」
「なってるんだよ?」
部屋で裸足になってるんだよ?
さて。
僕はなぜ知っているか?
小学生の頃、水泳の記録会で「なんで見学なの?」て聞いたら、こっそりと。
「水虫だからだよ」
それから、ずっと、僕を彼氏扱いして、今回のように逃げる理由にしている。違う高校に入ればよかった、けど通ってる高校は知らなかったし。運が悪い。
「かいていい?」
「縁切ります」
「うつらない体質なんでしょ?」
「縁切ります。そういうことじゃないんですよ、掃除が余計面倒臭くなるんです。家族も水虫にならない体質ですが」
まったく。
本当、頼られているんだろうけど、裸足にはできるだけならないでほしい。
「治療したらどうですか?」
「けど、またなるんだよ? 結局」
頑張れや。
読んで頂き、ありがとうございました。
水虫ヒロイン爆誕!
多分この作品だけ。
見たことないし、見ることもない。




