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05話:妹から凄く貴重なアドバイスを貰う

 そんなルリちゃんの楽しい配信を見てから数日が経過した。


 先日のルリちゃんの配信を見て僕はとても楽しいと思ったし、僕自身もっと頑張らなきゃいけないなと思った。


「うーん……」


 という事で僕は今日の朝からずっとリビングのソファに正座して腕を組みながら大きく悩んでいっていた。悩んでいるのはもちろん僕の配信についてだ。これからルリちゃんのように沢山の人に配信を見て貰うにはどうしたら良いかな……。


「ん? どしたの? 兄ちゃん?」

「うーん……って、えっ? あぁ、浅香。おはよう」

「うん、おはよう。それでどうしたの? そんな変な唸り声なんか出しちゃってさ?」


 すると妹の浅香がリビングにやって来た。そしてすぐに浅香はキョトンとした表情をしながら僕にそう尋ねてきた。


 妹の浅香は僕の一つ年下で中学三年生の女の子だ。活発でとても可愛らしい自慢の妹だ。


 浅香は155センチ位のスレンダー体型で髪の毛はちょっと明るい髪に染めている。身内びいきも若干入ってるけどかなり可愛い女の子だと思う。


 趣味はファッションとかメイクとか今時の女の子らしいことをするのが好きだそうだ。お小遣いも基本的には服とかコスメに使っているらしい。


 だけどこんなド田舎じゃコスメもファッションも全然楽しめないと文句を言ったり軽口を叩いたりする事も非常に多いんだけど、でも休みの日は僕と一緒にお婆ちゃん家の畑を耕したり、山に入って山菜堀りを手伝ったりをしてくれる優しい女の子だ。


 という事でせっかくなので僕はそんな妹の浅香に悩みを相談していく事にした。


「あのさ、僕って前々からダンジョン配信をしてるでしょ? ちょっとその事で浅香に相談したい事があるんだけどさ」

「え? ダンジョン配信? あー、お兄ちゃんがダンジョン配信を始めて2年くらいだっけ? お兄ちゃんって配信始めてから結構経つよねー。あの頃はまだまだダンジョン配信者なんて少なかったのに、今じゃあダンジョン配信も一大人気コンテンツになったよね」


 僕がダンジョン配信をしてるのは浅香も知ってるので、僕は率直にダンジョン配信についての相談があると言っていった。というか浅香は僕のチャンネルの最古参リスナーでもある。一番最初にチャンネル登録してくれたのが浅香だしね。


「それでお兄ちゃんの配信についての相談事って何よ? もしかして何かトラブルでも起きたの?」

「いや、トラブルとかそういうのじゃないよ。でも浅香が言ったように今やダンジョン配信って大人気コンテンツになってるよね。まぁだからさ、出来ればもう少しくらい見てくれる視聴者が増えて欲しいなぁって思ってさ……」

「あぁ、なるほどね。そういう事かー」


 僕がそう言うと浅香は納得したように大きく頷いてきた。そしてそのまま浅香も腕を組みながら僕のチャンネルについてを一緒に考え始めていってくれた。


「んー、まぁチャンネル登録者数とか同接が増えて欲しいってのは誰しもが思う事だよね。でもお兄ちゃんって凄く口下手だし、無言配信になっちゃってる状況も沢山あるからなー。そこは初見さんが来ても帰って行っちゃうネックポイントになってるのかもね」

「う……そ、それはまぁ……」

「まぁ今のお兄ちゃんの配信って基本的に身内しか見てないから別に口下手だったりほぼ無音だったりしても身内の私達は全然気にしないんだけどさ、でもチャンネル登録とか同接を増やしたいって思うんだったらそこら辺を改善していくのが良いんじゃないかなー?」


 浅香は僕の目をしっかりと見ながらそんな的確過ぎるアドバイスを送ってきてくれた。


 ちなみに僕の配信の平均同接数は5~10人くらいだ。そしてその人達はこの田舎町に住んでる人達だ。妹とか友達とか冒険者ギルドの職員さんとかとか……まぁ全員がほぼ僕の身内だ。


 だから身内ばっかりだから別に無言状態が続いても良いかという甘い発想も若干持っていたのかもしれない……という事で僕はまず最初にそういう所からしっかりと改善していく事に決めていった。


「うん、そうだね。やっぱり恥ずかしいとか緊張するとか言ってないで、まずは口下手な所から改善していかなきゃだめだよね。ありがとう、浅香。まずはそういう所をしっかりと改善していくようにするよ」

「うん、頑張っていってね。あ、そうだ。それならさ、これからは配信だけに力を入れるんじゃなくて、動画投稿も始めていくってのはどうかな?」

「え? 動画投稿?」


 急に浅香はそんな新しい提案もしてきてくれた。


 僕は今までダンジョンの探索を生配信をしているだけだったので、動画投稿は今まで一度もやった事がなかった。というかそもそも僕自身も見てるのは配信だけだったので冒険者関連の動画は今まで一度も見た事がなかった。


「そうそう、動画投稿。お兄ちゃんが緊張屋さんで口下手なのは昔から知ってるけど、それって要は慣れの問題だと思うんだよね。だからまずは生配信じゃなくて動画投稿で喋る練習を沢山していけば良いんじゃないかな?」

「え? 動画投稿って配信の練習になるのかな?」

「うん、きっとなるでしょ。だって配信と違って動画投稿なら台本を作って撮影で喋っていくわけじゃん? それなら喋るの失敗したとしても何回でもリテイクが撮れるでしょ? それに喋る内容を予め考えて台本に落とし込むってのも凄く大変な作業だし、そういう経験をしっかりと積んでおけば生配信でもお喋りの幅が広がったりするんじゃないかな? ふふ、どうよ、このアイデア! 今のお兄ちゃんにはピッタリじゃないかなー?」

「な……なるほどっ! うん、確かにそれは凄く良さそうなアイデアだね!」


 そういえば僕は今まで生配信だと何を喋って良いかわからずに焦ってしまう場面も多々あった。その結果ずっと無言配信のようになる場面も多々あった。


 でも動画投稿だったら予め台本を作ってそれに沿って喋っていけば良いので、配信よりかはハードルは下がりそうだ。


 それに何度もリテイクが出来る動画撮影なら喋る練習にも活用できそうだし、これは浅香のアイデアを採用するのもアリな気がしてきたぞ!

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