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ちびっ子転生者は手に負えないッ!Returns 〜精霊女王がピンチらから聖獣と一緒にちゅどーん!しゅりゅ〜  作者: 撫羽
第3章 あんしゅてぃのしゅ大公国ら!

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86/220

86ーヒューマンの領主

 思っていたよりも、とっても気さくに歓迎され屋敷の中へと通されたハル達。

 ハルは長老のお膝の上に、ちょこんと座っている。目がキョロキョロしている。ここでも好奇心旺盛だ。


「よくお越し下さいました。私はこの領地を治めておりますムーヤン・アルパカーニと申します。いやぁ、あのご高名なアヴィー先生にお目に掛かれるとは光栄でございます」


 これまた意外にも、歓迎されている。アヴィー先生、ご高名とか言われているぞ。

 このムーヤン・アルパカーニという領主を、ハルがジッと見ている。

 多分、髪色だ。ハルにとっては懐かしい色だった。肩まである艶々ストレートの黒髪で優しいモカ色した瞳。色味的には前世を思い出す懐かしい色だ。

 顔立ちは日本人のそれとは違っているが。目鼻立ちがハッキリとしている。少し濃い目の顔立ちだ。


「妻のシェリと申します。お目に掛かれて光栄ですわ。4層ではアヴィー先生の事を知らない者はおりませんわ。皆、先生の薬のお世話になっておりますのよ」


 と、また柔かに自己紹介したのが領主夫人。ミルクティー色のふんわりした髪を、片方に持ってきて編んでいる。

 ヘーゼル色の瞳が、優しそうな雰囲気を出している。


「突然訪問してごめんなさいね」


 と、話しながらアヴィー先生が皆を紹介する。


「なんと! 長老殿にベースの管理者殿ですか! これはこれは、よくこんな田舎に」

「エルフの方々がお揃いで、何かあったのでしょうか?」


 夫人が少し不安そうだ。無理もない。

 普段はエルフを見る事もないだろう。それが、錚々たる顔ぶれでやって来たのだ。何事かと思うのも当然だ。


「隣領で病が流行っていたの。こちらの領地は大丈夫かしら?」

「病ですか? 幸いその様な報告は受けておりませんが……それは移ったりする様なものなのでしょうか?」

「心配いらないわ。伝染するようなものじゃないの」

「そうですか」


 この反応は……何も知らないのではないだろうか?

 アヴィー先生が、核心を突きたくてウズウズしている。


「アヴィー、ワシが話そう」

「分かったわ」

「実はですな、領地の境に林があるでしょう」


 長老が、その林の中で獣を発見した事。そして近くに、隣領の病の元になった花が咲いていた事を説明した。


「あの熊ですか!?」

「え? ええ、そうよ。4頭いたわ」

「あの熊で被害が出ているのです! 私共では太刀打ちできず、ただ注意をして万が一遭遇したら何としても逃げる事しかできないのです」


 熊さんの方に食い付いた。しかも、領民に被害が出ていると。

 領主の話では、被害に遭った領民達は林に入っていた訳ではないそうだ。

 いつも通り畑で作業をしていたところを襲われた。幸い死者は出ていないが、今でも酷い怪我で寝込んでいる者、片足を引き摺らなければならなくなった者がいるらしい。

 それに、畑も荒らされた。収穫間近の野菜を根こそぎ食べられてしまったそうだ。


「まあ、大変じゃない!」

「ばーちゃん、治しゅじょ」

「ハルちゃん、お願い。私も一緒に行くわ。怪我人のところに案内して頂けますか?」

「あ、あの……もしや、治療して頂けるのですか!?」

「当たり前じゃない! 放っておけないわ。大丈夫よ、私も曾孫も回復魔法が使えるの」

「「か、か、回復魔法!?」」

「ふふん」


 ちょびっと自慢気なハル。

 ヒューマンにとっては回復魔法など、伝説級のものだ。驚くのも当然だ。


「リージンはどこに行った? あいつはまたフラフラと」


 リージンとは領主の息子だそうだ。

 その息子も熊に襲われて、片方の足を引きずっているらしい。それに、怪我人のところに案内させようと思ったのだそうだが、本人がいない。どこに行ったのか?


「あなた、私がご案内しますわ」


 領主夫人が直々に案内してくれるそうだ。


「長老、俺も行きますよ」

「イオス、頼んだ」


 領主夫人に連れられて、イオスに抱っこされたハルとアヴィー先生が出掛けて行った。


「しかし4頭もおりましたか。この先、どうなるのやら……」

「領主殿、既に我々が討伐しましたぞ」

「え……!?」

「4頭全て討伐しましたぞ。こちらでは熊肉は食べられますかな?」

「ち、長老殿。ちょっと待って下さい。4頭ともですか?」

「領主殿、俺達はいつも大森林の魔物を相手にしているんだ。野生の熊など相手にもならん」


 リヒトがそう説明するが、領主が目をまん丸にして驚いている。

 自分達は逃げるしか手段がなかったのだ。それが『相手にもならない』と軽く言われたのだ。


「そ、その……とにかく、有難うございます! 領民達は毎日恐々生活していたのです! 感謝致します!」


 まだ動揺している様だが、やっと頭が動いたらしい。領主が興奮気味にそう言った。


「アハハハ、大した事ではありませんな。それで、肉を食べられるのなら置いて行こうと思っているのですが」

「なんと! それは有難い事ですが、よろしいのですか!?」

「ワシ等は食料に困っておらんので、構いませんぞ」


 長老がそう話すと、領主がマジマジと皆を見た。


「その……大きな荷物を持っておられない様に思いましたが……」


 そうだった。ヒューマンはマジックバッグを見る事がない。希少なのだ。


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