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ちびっ子転生者は手に負えないッ!Returns 〜精霊女王がピンチらから聖獣と一緒にちゅどーん!しゅりゅ〜  作者: 撫羽
第3章 あんしゅてぃのしゅ大公国ら!

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34/220

34ーハルの足は短い?

「ゆっくりして下さって良いのですよ」

「ありがとう、しかし次に行かないといけないんだ」

「リヒト様の最強の剣を拝見したかったのですが」

「いや、そんな見せる程のもんじゃねーよ」

「ソニル様が模擬戦をして下さいましてな。誰も相手にならんかったのですよ」

「ソニルの奴、そんな事をしていたのかよ」

「アハハハ。ソニルらしいじゃないか」


 ソニルはサービス精神旺盛だからね。賑やかな性格といい、コミュお化けともいう。アヴィー先生もそうだ。誰とでも分け隔てなく接する。そして、ソニルもアヴィー先生も優しい。

 だが、ソニルは最強の5戦士の中でも最強だ。エルフの中で1番強いのだ。少年ぽさを感じさせるキュートなあの見た目からは想像つかないが。


「じーちゃんよりちゅえーのか?」

「ワシはあまり剣が得意ではないからのぉ」

「しょーなのか?」

「ハルはオールラウンダーだな」

「ふふん、しょうか?」


 長老に褒められてちょっぴり得意気なハルだ。そういえば、前の旅の時にドワーフの親方に短剣を作ってもらっていた。あれはどこにいったんだ?


「ハルちゃん、でも短剣を無限収納にずっと収納してるもんな」


 まだ無限収納に仕舞っていたのか。


「かえれ、らってもっちゃいねーし」

「使わな余計勿体ないやん」

「しょっか?」

「そうやな」

「ハル、そうだぞ」

「ん、わかっちゃ」


 さて、そろそろお別れの時だ。カエデは名残惜しそうだ。


「カエデ、またおいでな」

「ねーちゃん、待ってるわ」

「また、帰りに寄らせてもらいましょう」

「是非とも、お待ちしてますぞ」

「長老様、良いのですか?」

「良いも何も。いつでも会いに来ると良いんだ」

「長老、ありがとう!」


 そして、一行は次の精霊樹がある場所へと向かう。

 次はどんな場所にあるのだろう? また街中なのだろうか? それにしても、ドラゴシオン王国よりも精霊樹が生えている場所が多い。それだけ精霊樹の浄化の力が必要なのだろう。


「ハル、分かるか?」

「分かんねー」

「だから、ワールドマップを見てみるんだ」

「ん……じーちゃん、こりぇ1番近いのはこりぇどうやって行くんら?」

「だろう?」


 おや? どんなところにあるのだろう?


「長老、どうしたんだ?」

「次に向かう精霊樹なんだが、どうやら3つ先の領地なんだが」

「おう、行こうぜ」

「りひと、領地の端っこなんら」

「おう、行くぞ」

「りひと、端っこの端っこなんら」

「ん? 意味が分からんぞ」

「こことは違って平野ではないんだ。少し険しいかもしれんぞ」

「険しいってか? でもアンスティノスの国内なんだから大したことねーだろう?」

「それがなぁ、小さな谷底かも知れん」

「谷か……ま、なんとかなるだろう? 長老、行ってみないと分かんねーだろう?」

「まあ、そうだな」

「おし、いくじょ」


 またハルが張り切って片手を挙げている。だが、アンスティノスではヒポポはハルの亜空間の中だ。シュシュも小さくなって大人しくミーレに抱かれている。

 と、ハルが走りだした。乗るものがないと走るんだね。タッタッタッタと走って行くが、なにしろちびっ子だ。直ぐにリヒトに追いつかれてしまい抱き上げられた。


「よし、行くか」

「りひと、おりぇ張り切って走ってたのに」

「遅ーんだよ」

「ちびっ子らからな」

「アハハハ。ヒポポやシュシュに乗れねーからな」

「しょうなんら。不便らな」

「ハル、良い運動になるわよ。お腹が出てきているんだから、しっかり歩きなさい」

「みーれ、らからおりぇは幼児体形なんら」

「はいはい」


 なら、リヒトに抱っこされてちゃ駄目じゃないか。


「ほら、ハル。歩くか?」

「ん、めんろーらな」


 リヒトに下され、イオスと手を繋ぎトコトコと歩く。うん、ちびっ子だ。遅い。


「いおしゅ、おしぇー」

「アハハハ、仕方ないな」

「らっこしゅる?」

「いや、さっき歩き出したばっかじゃねーか」

「しょっか」


 もう飽きている。いつも早いシュシュやヒポポに乗っているからスピード感が違うのだろう。

 長老の転移では行けないのだろうか?


「ワシが1度も行った事がない場所だからなぁ」

「しょっか」


 長老でも行った事がない場所らしい。ハルちゃん、だから転移は無理だね。残念だ。


「偶にはこうして歩くのも良いだろう?」

「おしぇー」

「ハルがな」

「おりぇ、一生懸命ありゅいてりゅじょ」

「ハルはまだちびっ子だからな」

「足が短けーんだよ」

「りひと、しょれはちがうじょ」

「違わねーだろう?」

「らっておりぇはかりゃだがちっせーんら。らから足も短くねーんら」


 そこに拘るんだね。


「アハハハ、どっちにしろ短けーだろう」

「らからちげー」

「アッハッハッハ」


 なんとも呑気な一行だ。ハルの歩く速度に合わせてのんびりと移動する一行。3つ先の領地だと長老が話していた。いつになったら到着するのやら。


「こりゃ、なかなかだの」

「じーちゃん、何がら?」

「なかなか到着せんぞ」

「遅いからな」

「りひと、らからおりぇはちびっ子らから」

「いや、そうじゃない。馬を持ってきたら良かったな」

「確かに」

「1度、エルヒューレに戻るか?」

「えッ!? 長老、マジかよ?」

「ああ。その方が早いかも知れん。馬を持って此処まで転移すりゃあいいんだ」

「長老の発想が凄いよな」

「本当よね」

「ん」

「なんだ? ワシは変な事を言っとるか?」


 変と言うか、長老ならではと言うべきか。長距離転移ができる長老だからこその考えだ。普通はそんな事考えつかない。だって長距離の転移なんて出来ないのだから。


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