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ちびっ子転生者は手に負えないッ!Returns 〜精霊女王がピンチらから聖獣と一緒にちゅどーん!しゅりゅ〜  作者: 撫羽
第3章 あんしゅてぃのしゅ大公国ら!

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218/220

218ーメタ爺再び

 おばば様の家に行く前に、5人の龍王と長老達は城の中をうろついていた。ゾロゾロと……しかも国の偉い龍王が揃って城の中をうろついている。

 それを先導しているのが、エルフのちびっ子ハルだ。なんだか大きな白い虎に乗っている。

 周りは、何だ? と興味津々で見ていたが、ハルは相変わらずマイペース。

 

「いねーな」

「ハル、もっと裏手の方じゃないか?」

「じーちゃん、しょっか?」

「ああ、精霊樹の近くにいるかも知れん」


 何を探しているのかというと、メタ爺だ。とかげの精霊獣だ。

 以前は城の中を闊歩していたが、今日は城の中にはいないらしい。


「じーちゃん、なんれわかりゅんら?」

「ん? 魔力感知だ」

「なんらそりぇ?」

「ハルも使えるはずだぞ」


 こんな最終話直前に来て、新しいスキルなのか?


「しょっか?」

「ああ、サーチの要領で魔力を探すんだ」

「ああ、ありぇか」

「できるだろう?」

「やったことねーな」

「アハハハ、試しにやってみると良い」

「よしッ」


 ハルちゃん張り切って立ち止まった。え? 立ち止まった? まさかハルちゃん。

 ハルはその場で、両手を胸にやり目を閉じた。それはワールドマップのポーズじゃないか。

 どうやら探す時や感知したい時はこのポーズらしい。ハル限定だが。

 長老はそんな事はしない。普通に何もしない。いつの間にかやっている。

 その方がかっちょいいぞ、ハルちゃん。


「お、裏らな」

「だろう?」

「おー」


 どうやら新しいスキルでも何でもないらしい。今までハルが使っていなかっただけだ。

 そんなスキルが、きっとまだまだあるはずだ。何しろハルちゃんは、この世界に来てまだ1年経っていないのだから。魔法自体に馴染みがない。


「ハルちゃん、宝の持ち腐れやで」

「かえれ、しょっか?」

「そうやな。ハルちゃんはちょくちょくそれあるな」

「ハルちゃんはそんな事をしなくても、可愛いからいいのよ~」


 白い奴は黙っていよう。ハルちゃん贔屓も程々に。

 城の裏側へと出てきた一行。

 裏庭には広大な畑と果樹園がある。

 ハルが飲んでいた桃ジュースもこの果樹園で採れた桃で作ったものだろう。

 野菜畑が広がり、その手前を入って直ぐに精霊樹があった。

 その精霊樹がメタ爺の精霊樹だ。最古の精霊樹と精霊獣なのかも知れない。

 神使であるコハルさんが、メタ爺には敬意を表している。


「めたじいー! きたじょー!」


 ハルが大きな声で呼んだ。すると、1本の精霊樹からメタ爺が出て来た。


「おお、帰ってきたのか」

「めたじい、たらいま」

「おう、元気そうじゃな」

「おー、メタ爺もな」


 ハルがメタ爺と話していると、5人の龍王達が何故か遠巻きに見て固まっている。


「バイロン(白龍王)、喋っているぞ」

「ああ、グウロン(黄龍王)、喋っているな」

「喋るのだな」

「なんだヘイロン(黒龍王)私は喋った事があるぞ」

「そうなのか? ランロン(青龍王)」

「ランロンは同じ系統だからじゃないか?」

「ホンロン(紅龍王)皆同じ系統だろうが」

「え、そうか?」

「トカゲだろう?」

「誰がとかげじゃ、ワシはこれでも龍だと言うておろうが」


 ちょっと龍王達の名前が面倒だ。誰が誰なのか分からない。

 それにしても、すっかりメタ爺はトカゲさんだと思い込んでいた。そういえば以前も違うと話していた。

 どうやらメタ爺と龍王達は、交流がある訳ではないらしい。


「おばば様はよく話しているみたいだけど、俺達は見る事もあんまりなかったからな」

「そうなのですか、ホンロン様」


 ルシカはよく覚えている。各龍王の名前なんて覚えられない。

 野菜畑と麦畑の間の小道に、等間隔に針葉樹が植えてある。そこにも精霊樹が生えている。

 どの精霊樹も元気そうだ。


「つんつん」

「これ、突くんじゃないと言うておろうが」

「らってめたじい、ちっしぇーかりゃな。アハハハ」

「お前さんは、やんちゃじゃのう。で、精霊女王は見つかったのか?」

「おー、元気らったじょ」

「そうかそうか。ありがとうな」

「どうってことねーじょ」


 やはり態度は大きいハルちゃん。


「つんつん」

「だから突くんじゃないわい。ワッハッハッハ」

「アハハハ」


 メタ爺も笑っている。この国は大らかだ。

 メタ爺とじゃれたり、シュシュに乗って畑の中を走ったり。ハルは暫く思い切り遊んだ。

 

「めたじい、またくりゅじょ」

「そうかそうか。また元気な顔を見せてくれると良い」


 そう言って、メタ爺と別れた。それからやっとおばば様の家に向かった。

 おばば様の家はそんなに大きい訳じゃない。小さくもないが。

 一人で住むには広すぎる。だが、こんなに何人も来ると狭く感じるだろう。

 5人の龍王とリヒト達一行。みんなで紅龍王に乗っておばば様の家にやって来た。

 そして紅龍王が、地面に降り立つと同時に背中から飛び降りるハル。


「とぉッ!」

「こら、ハル! だから飛び降りるんじゃないと言っているだろうが!」


 長老がまた怒っている。心臓がキュッとなったか?


「じーちゃんが早く死んでも知らんぞ!」

「じーちゃん、らいじょぶら」


 会話になっていない。この曾孫と曾祖父は、良いコンビだ。

 そう言えば、アヴィー先生だけがいない。また後で、拗ねるんじゃないか?


「おばば様、アヴィーも後で来ると言っているんだが」

「ああ、構わないよ」

「すまんな、大人数で押しかけてしまって」

「何言っているんだい。長老達ならいつでも大歓迎だよ」

「おばば様、有難う」


 やっぱりアヴィー先生も来るらしい。自分だけ仲間外れにしないでと、拗ねられるよりは良い。


お読みいただき有難うございます!

なかなか終わらな〜い^^;

もう少しお付き合いくださいね!

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