217ー龍王達
一日、リヒトの実家で過ごしたハル達は、ヒポポをドラゴシオン王国へ帰す為にまた旅立った。
長老が一緒なので、リヒトの実家から普通の馬に乗り換えて転移でドラゴシオン王国付近までやって来た。
ドラゴシオン王国に入国すると、光に透ける様な美しい白髪にグレーの瞳の男性、侍従のナングが待っていた。
「おう、ナング。いつもすまないな」
「いえ、長老様。何を仰います。お疲れ様でした。先ずは城へお願い致します」
そう言って丁寧に頭をさげる。
城に行くのも何度目だろう。もう皆慣れたものだ。
「竜王様とおばば様がお待ちですよ」
「おばばしゃまの家にお泊りしゅるんら」
「おやおや、それはおばば様が喜ばれます」
「しょっか?」
「はい、そうですよ。ハル君の帰りを待っておられましたから」
「ふふふん」
嬉しそうに身体を揺らすハルちゃん。座っているのにお尻が揺れている。
人よりも二回り程大きな小型の竜馬が引く、オープンタイプになっている豪華な竜車に乗り城のある最高層を目指す。と、言っても飛んでいる。
座席のある後ろから見ると、小さな羽がパタパタと動いていて可愛らしい。
「メタ爺にも会うんら」
「メタ爺は城のどこにいるのか分かりませんからね」
「メタ爺は見えないんだから、あんまりウロウロしていると蹴られるぞ」
「リヒト様、大丈夫ですよ。何故か上手く避けているようです」
メタ爺も精霊獣だ。魔力量の少ない者には見えない。リヒト達は問題なく見えるようだ。
メタ爺を覚えておられるだろうか?
体長30センチ程の、綺麗なエメラルドグリーンの体色をしたとかげさんの精霊獣だ。金色の大きな瞳がウルウルしているとかげさん。
本当は城の裏側にある精霊樹の側にいるはずなのだが、自由に城の中を闊歩している。精霊獣には珍しく、話す事ができる。
一番最年長かも知れない精霊獣だ。
ハル達を載せた竜車は、城へと入って行く。
城の中を案内され一つの部屋へと通されると、竜王とおばば様が待っていた。
「ハル、良く戻ったよ」
「おばばしゃま! たらいま!」
ハルがおばば様の元へトコトコと走って行く。おばば様も両手を広げてハルを迎える。
「ハル、元気そうだね」
「うん、元気らじょ。おばばしゃま、ひぽをありがとな」
「役に立ったかい?」
「おー。めちゃ楽しかったじょ」
おやおや、会話が成り立っていない。役に立ったかと聞かれているのに。
「ひぽ」
「ぶも」
またハルの亜空間から、お顔だけを出して返事をするヒポポ。
顔をだしておばば様がいると分かったのだろう、勢いよく出てきた。
「ぶもー」
「お帰り、頑張ったね」
「ぶもぶも」
ヒポポも嬉しそうだ。短い尻尾がヒョコヒョコと揺れている。
「私は初めて見るな、おばば様」
「そうだったかい? まあ普段は姿を見せないからね。うちにいる精霊獣なんだよ」
「そうなのか?」
竜王がヒポポをマジマジと見ている。
「ぶも」
ヒポポが、頭をヒョイと下げた。竜王だと分かっているのか? 挨拶をしているようだ。
「おお、お利口だな。メタ爺には無視されるからな。アハハハ」
メタ爺、竜王を無視するのか。きっと竜王よりずっと長生きしているのだろう。この若造がとでも思っているのかも知れない。メタ爺はマイペースだから。
「ハルが帰ってきたって!?」
部屋のドアが開いて、他の龍王達がやって来た。
青龍王、紅龍王、黄龍王、黒龍王の4人だ。
「りゅうおーしゃま」
「ハル、無事か!?」
「元気らじょ」
4人の龍王に囲まれてしまったハル。
「アハハハ、長老の曾孫は人気者だ」
「白龍王様、有難い事です」
「ハルがいると場が賑やかに明るくなる」
「アハハハ、あの性格ですからな」
「無茶はしなかっただろうな」
「いやいや、それがもう」
と、話は尽きない。
「なんだって!? 魔物の中に入ったのかい!?」
正確には、入ったのではなく『落ちた』のだけど。
長老達に、精霊女王を見つけた時の話を聞いていたおばば様が、驚いて声を上げたんだ。
「ハル、何て無茶をするんだい!」
「らいじょぶらじょ、おばばしゃま。こはりゅもいたしな。しゅぺしゃりゅちゅどーーんら」
そうそう、あの時『しゅぺしゃりゅちゅどーーん!』と叫んでいた。
ハルがジュースを手にそう答えている。
コップを両手でもって、コクコクコクと飲んでいる。
「うめーな」
「おいしいなのれす」
「ハルちゃん、これ美味しいな」
「な、かえれ、うめーよな」
ちびっ子チームは、ジュースとフィナンシェらしきものを貰っていた。
「こりぇ、桃じゅーしゅらな」
「おいしいなのれす」
「このフィナンシェも美味しいで」
「カエデ、あたしにもちょうだい」
「はいはい、シュシュは口が大きいからなー」
「あら、何失礼な事を言ってんのよ。レディーに失礼よ」
誰がレディーだ。
シュシュは歴とした雄の虎だ。
「長老、今回はゆっくりできるんだろう?」
「はい、おばば様。世話になります」
「いいさいいさ。大歓迎だよ。皆でゆっくりしておくれ」
おばば様の家に移動しようとした時だ。何故か龍王達も皆一緒に席を立った。
「何してんだい?」
「おばば様、何って俺達も行くんだよ」
「お前達はいいよ」
「いやいや、行くって」
紅龍王はもう自分が乗せて行くつもりだ。
いつもはクールな黒龍王や青龍王、白龍王まで一緒に行くと立っている。
「まあ、好きにするといいさ」
「俺が乗せて行くぞ」
はいはい、紅龍王様。いつも有難う。
お読みいただき有難うございます!
出来たてホヤホヤです〜^^;
GCノベルズ様10周年記念フェア第二弾が開催されるそうです!ハルちゃんも対象になっています。
何か貰えるみたいですよ。
詳しくは、GCノベルズ様のHPかXをご覧頂ければと!




