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ちびっ子転生者は手に負えないッ!Returns 〜精霊女王がピンチらから聖獣と一緒にちゅどーん!しゅりゅ〜  作者: 撫羽
第3章 あんしゅてぃのしゅ大公国ら!

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211/220

211ー精霊女王

「どうやって出ようかしら? と、思っていたらこの子達が落ちてきたの」

「無事れ良かったじょ」

「有難う。可愛らしいあなたはハイエルフかしら?」

「おりぇは、ハイエルフとハイヒューマンのクォーターら」

「まあ、珍しいわね」

「私はその子の曾祖父で、エルヒューレ皇国の長老です。ご無事で何よりですな」

「有難う。本当に心配かけちゃったわね」


 この口ぶりだと、もしかして自分で脱出できたのではないか? 余裕があるぞ。

 

「でもねぇ、意外と硬かったのよ」


 はいはい。硬そうですね。巨大な樹の魔物だから。


「あなたはちびっ子なのに強いわね」

「はりゅら」

「ハル?」

「しょうら。この小っしぇりしゅは、こはりゅら」

「ハルもコハルも有難う。助かったわ」


 そう言いながら、ハルの額にチュッとした。するとハルの額が光った。ペカーッと白く光ったんだ。


「精霊女王、それはもしや?」

「ハルに私の加護を授けたわ。お礼よ」


 ハルの加護がどんどん無敵になっていく。世界樹の加護も持っている。そこに精霊女王の加護だ。もう、無敵ではないのか?


「いつでも見たい時に精霊だけでなく、精霊樹や精霊獣が見えるわよ。私とも念話ができるわ」

「おー、しょっか。ありがちょ」

「とにかく一度ベースに戻りましょう」

「りゅしか、りゅしか」

「はい、お腹が空きましたか?」

「ん、ぺこぺこら」

「ベースに戻ったら何か作りましょう」

「やっちゃ」

「ちょっと待って、コハルちゃん」

「はいなのれす」


 精霊女王が引き留めた。

 何だ? まだ何かする事があるのか?


「あの魔物が燃えた跡に、実を植えてくれないかしら?」

「いいなのれす」


 まだプスプスと燻っている。イオスとコニーで落とした魔石等を回収していたところだ。

 トレント系は果物や蜂蜜などを落とす。それを忘れてはいなかった。


「あの燃えた跡は魔素が多くなっちゃうわ」

「わかったなのれす」


 コハルが何処からか、精霊樹の実を取り出す。どんどん地面へと吸い込まれる様に消えて行く。


「さすが聖獣だわ」


 感心している精霊女王。結構呑気だ。

 ポヤポヤしている。天然なのか? もうこれ以上天然はいらないぞ。

 ハルだって、ある意味天然が炸裂しているのだから。


「長老、お願いなのれす」

「ああ、任せなさい」


 はい、もう何も言わない。思い切りやっちゃって下さい。

 ハルが魔物の口の中に落ちて行って、長老は本当に心配していたんだ。顔色が変わった位にだ。

 なのに『すぺしゃるちゅどーん!』なんて叫びながら、魔物の幹を破って出て来たハル。

 もしかして、態と口の中に落ちて行ったのか? コハルと一緒に気持ち良くスポーンと落ちて行った。

 それにしても、あんなに心配を掛けてはいけない。

 その長老が魔法杖を出し、静かに詠唱した。グリーンゴールドに煌めく球体がついたエンブレムの魔法杖を、コツンと軽く地面を小突き掲げる。


「ピュリフィケーション、ヒール」


 コハルが実を植えた場所だけでなく、ハル達がいる谷全体に白い光がヴェールの様に下りてきて地面に消えて行った。

 これは今までとは比べものにならない最大級だ。長老、思い切りやったのか?


「まあ、ふふふ」

「長老、マジでやり過ぎだ」

「何を言っている。まだまだ抑えておるわ」


 抑えているらしい。なら長老の本気ならどうなるのだろう。

 コハルがうえた精霊樹の実から、ポコンと芽が出てそのままぐんぐん育ち立派な精霊樹になった。

 元々あった精霊樹には、実が幾つも生っている。

 そして、地形的に魔素が多かった谷が浄化され、緑がイキイキとし出した。


「ハイエルフの長老って凄いのね」

「これで魔物は発生しないでしょう」

「ええ、有難う。ハイエルフには昔から力を借りているわ。あら、精霊獣も一緒なのね」

「ぶも」


 ヒポポだ。ずっと一緒に来てくれていたヒポポ。


「有難う、あなたが協力してくれていたのね」

「ぶも」

「それにしても、心配しましたぞ。精霊王もそれは心配しておられた」

「精霊王は心配性なのよ。ふふふ」


 いや、誰だって行方不明になれば心配するぞ。しかも何十年、いやもしかしたら何百年なのではないのか?


「大丈夫よぅ、消えたりしないもの」

「しぇいれいじょうおーは、ちゅえーのか?」

「ふふふ、私は大した事ないわよ。ただ、魔物には負けないわね」

「おー、しゅげーな!」


 と、言いながら魔物に食べられちゃっていたのは誰だ?


「しぇいれいじょうおーも、りゅしかの飯食べりゅか?」

「あら、良いのかしら?」


 え? 精霊女王って、人の食べ物を食べるのか? 食べないイメージがあるのだけど。


「精霊獣と同じよ。食べなくても平気だけど、食べる事もできるわ。あなたは色々食べたみたいね」


 と、ヒポポを撫でる。分かるのか?


「大森林の精霊獣ではないのね? 何処の子かしら?」

「ぶもぶも」

「まあ、そうなの? それは有難う」


 会話をしている。そりゃそうだろう。精霊女王だ。精霊獣の言葉も分かるのだろう。


「一緒にべーしゅに行くじょ」

「ええ、ハルちゃん。有難う」


 もうハルちゃんなんて呼んでいる。

 魔物から出てくる時も、しっかり手を繋いでいた。リヒトに抱きかかえられた時には、精霊女王がハルを抱っこしていたりした。

 魔物のお腹の中で、仲良くなっちゃったか?


お読みいただき有難うございます!

コメントを有難うございます!

私の趣味で続けていたハルちゃんreturnsを、楽しく読んで頂けていた様で嬉しいです!

リリやロロのお話と違って、returnsは思い付きで始まりプロット等もなく、100%私の趣味でした。^^;

ご存知の方もおられると思うのですが、新作も投稿し始め、書籍化作業も重なってしまいました。また余裕ができたらハルちゃんを書きたくなるかも知れません。

その時は是非読んで頂けると嬉しいです!

あと一話か二話程度で完結になる予定です。

最後まで、宜しくお願いします!

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