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ちびっ子転生者は手に負えないッ!Returns 〜精霊女王がピンチらから聖獣と一緒にちゅどーん!しゅりゅ〜  作者: 撫羽
第2章 どりゃごしおん王国ら!

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21ー鬼人族の里

「ハル、ワールドマップに登録した中でドラゴシオン王国にまだ精霊樹があったろう」

「じーちゃん、分かんねー」


 おやおや、ハルちゃん。どうしてだ?


「見方が分かんねー」

「ハル、ワールドマップと念じなさい」


 ハルが目を瞑り、また小さな両手を揃えて胸に持ってきて集中する。そのお手々は何かな? ぷくぷくしていて可愛いぞぅ。


「ん……おお」

「見えたか?」

「じーちゃん、しゅげーな。しゅりーでぃーら」


 ハルちゃん言えてないが、どうやら確認できたらしい。3Dと言っているつもりだ。だが、長老にそれは通じないぞ。


「何だ?」

「なんれもねー。見えたじょ」

「ドラゴシオンに印が付いているだろう?」

「ん、山の方か?」

「そうだな。そっちも回ってしまおう」

「しょーらな」


 山の方にまだ精霊樹があるらしい。この国の精霊樹は元気そうだが、そっちにも回ってみるらしい。


「ぶも」

「しょっか」

「ハル、ヒポポは何と言っているんだ?」

「山の方は知らねーって」

「そうか。同じ国なんだがな」

「精霊獣は基本的に自分の精霊樹から離れたりせんからな。山までは距離があるわい」


 と、精霊樹から離れて城の中を闊歩していた精霊獣のメタ爺が言った。


「メタじーは知ってりゅのか?」

「いや、ワシも知らんぞ」


 ドラゴシオンの山の方と言えばだ。番外編でお馴染みの鬼さん達が居る方か?


「ぶもも」

「ひぽが近くに行けば分かりゅって」

「そうか、それは助かるな。ハル行こうか」

「ん、じーちゃん」


 そして……


「おーにしゃんこっちら! 手ぇのなぁりゅ方へ! おーにしゃんこっちら! 手ぇのなぁりゅ方へ!」


 鬼さんの里で鬼人族の子供達と遊んでいた。呑気だね、ハルちゃん。


「ぶもぶも〜」


 おやおや、ヒポポまで一緒に遊んでいるぞ。

 鬼人族といえば皆さま覚えておられるだろうか? ミーレに失恋した鬼さん、族長の息子で名をヤセという。今日もチラチラとミーレを見ている。なかなか忘れられないもんだよね。


「ハル、精霊樹はどうした」

「じーちゃん、しょうらった」


 ハルちゃん、子供達との遊びに夢中になっていたらしい。ハルもまだちびっ子だからね。中身は成人しているはずなんだけど。


「ぶもも」

「しょっか」

「ぶも」

「よしッ、いくじょ!」


 そう言って駆けだすハル。小さな身体を動かし、タッタッタッタと走って行く。その直ぐ横を大きなヒポポが行く。


「ハル、どこに行くんだ!」

「りひと、しぇいれいじゅら!」

「おらッ」


 軽くリヒトに片手で抱き上げられたハル。そして、ヒポポの背中へと乗せられる。


「この方が早い」

「ひでー」

「なんだよ、ハル」

「らっておりぇも、超だっしゅしてたんら」

「ヒポポの方が早いだろうが」

「しゃーねー」


 と、その光景を横目で羨ましそうに見ている奴がいる。そう、白い奴だ。


「ハルちゃ~ん! あたしが乗せてあげたかったのにぃ~!」

「しゅしゅ、ありがちょ」


 ヒポポの背中から小さな手をヒラヒラと振っている。


「ハルちゃん、かわいいぃ~!」


 もう白い奴は放っておこう。そして、鬼人族の村の外れへと来たハル達。


「ぶも」

「しょうらな」

「ハル、何て?」

「りひと、見えねーか? しょこにしぇいれいじゅがありゅじょ」

「おう、ここも立派だな」

「じーちゃん」

「ハル、元気そうだな」

「どりゃごしおんのしぇいれいじゅはらいじょぶしょうりゃ」

「あら? ハルちゃんお眠かしら?」

「そうね、シュシュ」

「うん、いつもよりカミカミやな」

「もう少し我慢できるかしら?」

「みーりぇ、らいじょぶら」


 ハルちゃん大事なところでお眠らしい。さんざん鬼人族の子供達と遊んでいたから疲れたんだろう。

 先に精霊樹を確認するべきだったよね。


「ぶもぉッ」


 ヒポポが一声鳴いた。すると精霊獣が……どこにいるんだ?


「ケロッ」

「ん? 今なんか聞こえたじょ」

「ケロッ」

「ぶも」


 ハル達が地面を見ると、そこには小さなカエルさんがいた。小さいと言っても10センチはあるだろう。カエルにしては大きい。但し、身体の色がスカイブルーだ。お目々が大きくパッチリとしていて頭らしき場所には小さな小さな角が2本ある。そして背中にはやはり翼があった。鮮やかなグリーンの葉っぱの翼だ。

 精霊獣は皆ファンタジーなのだろうか?


「ちっせーな、つんつん」

「ケロケロッ」


 ハルがまた短い指でカエルさんを突いている。ハルの短い指の方が大きく見える程小さい。


「これでも大人なのれす」


 コハルが出てきた。興味があるのだろうか? いつも呼ぶまで出てこないのに。


「しょうなのか?」

「精霊獣は大きさじゃないなのれす。元気で良かったなのれす」

「しょうらな」

「あと狐人の里にもあるか?」

「ぶもも」

「しょっか。じーちゃんもう1本しぇいれいじゅがありゅじょ」

「そうか」


 ヒポポが移動して行く。まだ少し山の方へと入って行く。


「ハル、抱っこしよう」

「ん、りひと」


 両手をだして抱っこされるハル。今抱っこされたらヤバくないか? 寝ちゃわないか?


「もう少し起きておけよ」

「ん……ふわぁ~」


 ああ、眠そうだ。大きな欠伸がでたぞぅ。


「ぶもも」

「あ、ほんちょら。こっちの方がでっけーな」

「これはまた立派だ。こっちも元気だな」


 さっきの精霊樹よりも2回りほど大きな精霊樹。より光って見える。


「お、なんか見えた気がするぞ」

「リヒト様、私は光って見えるだけですね」

「俺もだ」

「私も」

「ぜんっぜん見えへんわッ」


 やはり魔力量の違いらしい。カエデが残念そうだ。


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