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ちびっ子転生者は手に負えないッ!Returns 〜精霊女王がピンチらから聖獣と一緒にちゅどーん!しゅりゅ〜  作者: 撫羽
第3章 あんしゅてぃのしゅ大公国ら!

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194/220

194ーヒポポ!?

 無事に討伐を終えて、蜂蜜もたっぷり集めて帰って来た一行。

 帰る途中で、討伐隊の総隊長ポースが、リヒトの父に……


「あんなに可愛いちびっ子なのに、とんでもなく強いな! それに聖獣が2頭ってか!」


 と、ハルやコハル、シュシュの事を話していた事は、ハルちゃんは知らない。

 鬼強いハルちゃんチームだ。


「りゅしか、りゅしか、はにーましゅたーどしょーしゅは、何の肉にかけりゅんら?」


 もうお肉だと決めつけている。


「何にしましょうか?」

「うしゃぎ! うしゃぎがいいじょ!」

「はいはい。ハルは兎の肉が好きですね」

「らいしゅきら! 超うめー!」


 もう昼食に気がいっているらしい。

 さっきまで張り切って、ちゅどーん! していたのに。


「うさぎがいいなのれす!」

「美味しいわよねー」


 コハルとシュシュも兎肉希望らしいぞ。

 これはまた、ドラゴシオン王国にヒュージラビットを狩りに行くか?


「今度行ったら、もっと沢山狩ってきましょう」

「らな! しょりぇがいいじょ!」


 まだリヒトのユニコーンに乗っているというのに、ハルがご機嫌に足をパタパタさせている。


「ハル、ジッとしてろよ」

「りひと、らいじょぶら!」


 ハルちゃん、ちゅどーん! で、発散したらしい。普通の3歳児ではあり得ない。


「それにしても、楽勝だったな」

「そりゃそうだろう。元々、守備隊だけで討伐する予定だったんだ。フォークスとスティーグが無理矢理捩じ込んだのだろうよ」

「長老、父上と兄上にもう少し落ち着くように言ってくれよ」

「アハハハ、リヒト。あれでも落ち着いた方だろう。まだまだ動いていたいのだろうな」


 だからと言って、討伐隊にまでお邪魔するのはどうなんだ?

 もう現役は退いたというのに。


「ミエークに、リヒトの代理をしてもらっている事もあるからだろう」

「あー、それはなぁ」


 リヒトも長い間、ベースを留守にしている。その間ずっとミエークが代理を務めてくれている。


「らから、おりぇらけれ行くっていったんら」

「ハル、それはあり得ないぞ」

「しょっか?」

「そうだよ」


 リヒトとハルは、もう本当の兄弟の様だ。何百歳も年が離れているが。


「ハル、昼飯前に風呂行くか?」

「おー」


 ユニコーンを馬番に預け、邸に入りながらリヒトがハルを誘った。

 シュシュがさりげなく離れて行こうとしている。


「こら、シュシュ」


 あ、イオスに見つかった。


「あたしはいいわよぅ!」

「シュシュも入りましょうね。あの乱闘の中を走っていたのですから」

「ええー! 平気よぅ!」


 なんて、言いながら風呂へと引き摺られて行く。


「おかえりなさい。あら、お風呂なの?」


 ミーレが出迎えてくれた。


「みーりぇ、しょうら。風呂いってくりゅじょ」

「カエデも入ってきなさい」

「うん、サッと入ってくるわ」


 最初の頃は、自分は風呂なんて勿体無いなんて言っていたカエデ。もうそんな事を言う事もなくなった。

 小さな事だが、どんどん意識が変わっているんだ。

 さて、風呂に入ると。


「もっしもっしかぁめよ〜、かぁめしゃ〜んよぉ〜♪」


 やっぱり歌ってしまうハルちゃん。今日はご機嫌だから、いつもよりノリノリでお尻をフリフリしている。


「アハハハ、ハル。尻が!」


 リヒトがウケている。

 片手にタオルを持って、プリップリのお尻をフリフリしているハル。


「ほら、ハル。座れ。流すぞ」

「おー」


 そして、やはり。


 ――バッシャーン!


「ぶぶぶーッ!」


 シュシュが思い切り、お湯を掛けられていた。


「ハルちゃーん! 助けてー!」

「気持ちいいじょー」


 ハルはもう頭が泡だらけだ。ちょこんと座って、リヒトに洗われている。

 何故か両手は揃えてお膝の上だ。

 全体的に丸いフォルムが、可愛いやら可笑しいやら。


「ぶも」


 ええ!? この鳴き声は!?


「な、ひぽも気持ちいいな」

「ぶも」


 ガッシガッシと、長老がヒポポを洗っていた。精霊獣って風呂に入る必要があるのか?

 気持ちいいらしいから、良しとしよう。


「よし、ハル。流すぞ」

「おー」


 そこにリヒトの父と兄が入ってきた。


「なんだ、お前達早いな」

「もう入っていたのか……て、ええ!?」


 ほら、スティーグがヒポポを見て驚いている。


「ぶも?」

「長老、精霊獣も風呂に入るのか?」

「ワハハハ、ワシも知らなかったぞ。ヒポポ、流すぞ」

「ぶも」


 大人しく、バシャーンと大きな体にお湯を掛けられているヒポポ。カバさんは水が平気だからだろうか。

 シュシュの様に嫌がったりはしない。気持ち良さそうだ。


「あたしはいいの! 本当にクリーンでいいのよ!」


 シュシュは嫌らしい。いつも無駄な抵抗をしている。


 ――バシャーン!


「ぶへッ! お願いだから顔はやめて!」

「シュシュ、ほらまだ泡があるから」


 ――バッシャーン!


 ブルブルブルと体を振って水気を飛ばすシュシュ。


「うわッ! 止めろって!」


 そして、サッサと湯船に入って行く。湯船に入るのは好きらしい。

 ヒポポものっしのっしと入っていく。

 広い風呂だから良いが、普通なら虎のシュシュと大きなカバさんが一緒には入れないぞ。

 ヒポポが背中の羽根をヒョコヒョコ動かしながら、気持ち良さそうにススイ〜と泳いでいる。


「アハハハ! 何をやっているんだ」

「じーちゃん、背中ながしゅじょ」

「おお、ハル。有難う」

「ハル、父様も頼む」

「おー、いいじょ」


 賑やかな風呂だ。旅の間は皆が揃って風呂に入る事もなかった。ましてや、昼間から風呂なんて、そんな機会もなかった。

 クリーンで済ます事が殆どだ。

 こんな平和な日も良いだろう。


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