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ちびっ子転生者は手に負えないッ!Returns 〜精霊女王がピンチらから聖獣と一緒にちゅどーん!しゅりゅ〜  作者: 撫羽
第3章 あんしゅてぃのしゅ大公国ら!

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193/220

193ー蜂蜜

「りひと、りゅしか! はちみちゅら!」

「アハハハ! 蜂蜜かよ!」

「ハル、まだ皆片付けていますからね」


 そうだよ、討伐隊員はマジックバッグに倒したベア種を収納したり、辺りを浄化したりと忙しなく動いている。その中を悠々と長老がやって来た。


「じーちゃん、おしぇーじょ」

「ハル、だからな、じーちゃんからいきなり飛び降りるんじゃないと前から言っているだろう?」

「え? しょんなことしねーじょ」


 いやいや、ハルちゃん。『とおッ!』と言って飛び降りていたではないか? まさか無意識なのか? もう忘れたのか?


「しょんなことより、じーちゃん。はちみちゅはろこら?」

「蜂蜜か? そうだな」


 長老が辺りを見回した。瞳がゴールドに光っている。ハルだって精霊眼を持っているんだ。見る事が出来るだろう?


「ハル、見てみなさい」

「え? なんら?」


 ハルちゃん、そんな事を言っているとカエデちゃんに突っ込まれちゃうぞ。


「ハルちゃん、精霊眼で見てみ? て、長老は言うてんねんで。ほんま、宝の持ち腐れやわ」


 ほら、言われちゃった。


「しょっか? しぇいれいがんか」


 なるほど~と、ハルが長老と同じ様にゴールドに光る瞳で見回す。


「あ! あったじょ! じーちゃん、あしょこら!」

「よしよし、分かったか」


 ニッコニコしている長老。ハルちゃんは何をしても可愛いらしい。


「りゅしか、りゅしか、はちみちゅら!」


 1本の枝が折れた大木を指さすハル。そこにどうやらレッドベアビーの巣があるらしい。


「リヒト様」

「おう」


 リヒトとルシカがその大木から少し距離を取った。何しろ、レッドベアビーの巣があるんだ。

 大きな蜂さんがブンブンと巣の周りを飛び回っている。異変に気付いているのだろう。警戒をしている。

 距離を取ったまま、リヒトが巣のある大木を中心に結界を張った。そして……


「エアーインパクト」


 結界の中の空気が振動し、飛んでいたレッドベアビーがボトボトと地面に落ちた。一網打尽とはこの事だ。


「ハル、覚えているか?」

「りひとのまほうら」


 だからね、どんな魔法なのかを長老は聞いているのだよ。ハルちゃん、ボケボケじゃないか。


「ハルちゃん、あれは空気の衝撃波をぶつけてるねんで」

「おー、しってりゅじょ。おりぇもれきる」

「え? ハルちゃんもできんの?」

「できりゅじょ」


 できるのか!? そうなのか?


「おりぇもできりゅんら。ふふふん」


 と、自慢気にポヨヨンとしたお腹を……ではなく、胸を張っている。


「ハルちゃん、凄いやん!」

「まーなー」


 おやおや、どんどんお腹が出てくるぞ。胸はどこだ?


「ハル、もういいぞ」

「おー! もうでっけー蜂いないか?」

「ああ、もう巣穴の中にいるレッドベアビーも死んでるだろう」


 リヒトとルシカが巣穴を確認する。そして、剣で大木の枝を切り裂いた。

 以前、リレイと見つけた時よりは少し小さいか? それでも大きな巣が出てきた。


「おおー! りゅしか、りゅしか、はちみちゅ!」

「はいはい」


 ルシカが太い枝を覗き込む。持って来ていたのか? それとも、常時マジックバッグに入っているのか? 大きめのスプーンを取り出した。


「ハル、舐めますか?」

「うん!」

「ルシカ兄さん! 自分も!」

「あたちもなのれす!」

「やだ、あたしもよ~ぅ!」


 ワラワラとルシカに集まるハルちゃんチーム。

 こうしていれば、皆可愛いのだ。ハルちゃんなんて、とっても可愛い3歳児だ。

 ルシカに、あ~んとして蜂蜜を食べさせてもらっている。


「んめーッ! 超うめー!」

「おいしいなのれす!」

「まろやかやわ~」

「本当、美味しいわね~」


 はいはい、味見はそれ位にしておこう。


「帰って、パンケーキでも焼きますか?」

「おー! いいな! フワッフワなのがいいじょ!」

「いいなのれす!」

「ルシカ兄さん、手伝うわ!」

「あたしも食べるわよ~」


 討伐隊まで、ほんわかとした目でハル達を見ている。忘れてはいけない。討伐隊もエルフだ。無条件でちびっ子大好き、エルフ族だ。

 ハルやカエデが、可愛くて仕方がない。

 ついさっき自分達よりもイケイケで、ちゅどーん!とドロップキックをお見舞いしていた事も、もう無かったかの様に可愛いと目が語っている。

 今回は討伐隊だけでも充分討伐できただろう。

 ハルちゃんの良い発散になったようだ。


「りゅしか、りゅしか、もうちょっち食べてーじょ」

「ハル、帰ってからですよ」

「ん、しゃーねー」

「早く帰るなのれす」


 コハルさん、食べたいのだね。

 ヒポポはどうしているのだろう? ずっと大人しいではないか。


「帰ったりゃ、ひぽにのりゅやくしょくしてんら」

「えー! ハルちゃん、あたしが乗せるわよ!」

「今日はひぽら。やくしょくしたかりゃな」

「ええー!」


 そんなにショックなのか? シュシュはいつも乗せているのに。

 帰ったらヒポポに乗って遊ぶらしい。その前にお昼ご飯だね。そうしたらお昼寝だ。蜂蜜をたっぷりかけたパンケーキはその後かな?


「今日はハニーマスタードソースにしましょうね」


 おお、料理のソースに使うらしい。

 では、早く帰ろう。もうハル達に用はないだろう。


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