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ちびっ子転生者は手に負えないッ!Returns 〜精霊女王がピンチらから聖獣と一緒にちゅどーん!しゅりゅ〜  作者: 撫羽
第3章 あんしゅてぃのしゅ大公国ら!

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192/220

192ー手に負えないッ!

 弓矢だけで、ベアウルフが従える群れを半数以上倒した討伐隊。そろそろではないかな?

 ベア種は、どこから矢が飛んできているのかと、動きを止めてキョロキョロしている。そんな事をしているから、討伐隊の良い的になっている。

 ベア種の眉間を狙って矢が飛んでくるかと思えば、首にグサリと矢が突き刺さっていたりする。


「よしッ! 行くぞ!」

「おおー!」


 総隊長の合図で、矢を射っていた討伐隊が一斉に木から飛び降り剣を手に走り出した。

 どのエルフが持つ剣もグリーンに光っている。魔法を付与しているんだ。


「じーちゃん! いくじょ!」

「アハハハ、行くか!?」

「おー! こはりゅ!」

「はいなのれす!」


 長老の腕の中から「とおッ!」と飛び降りたハル。その肩にはコハルがしっかりと乗っている。


「こら、ハル! ここは木の上だぞ! じーちゃんの心臓がキュッてなるじゃないか!」


 そんな長老の声も聞かず、シュタッと飛び降りたハルの真下には白い奴が待ち受けていた。

 そのまま背中にハルを乗せて、シュシュが地面を力強く蹴る。大人しいと思ったら、ハルが降りるのを待っていたらしい。


「ハルちゃん、行くわよ!」

「おー!」

「行くなのれす!」


 シュシュの背中に乗ったハルとコハル。ベア種が入り乱れる中を風のように走って行く。


「ハル! シュシュ! こっちだ!」

「おう! りひと!」


 リヒトに呼ばれた方へと走るシュシュ。乱闘しているエルフやベア種を、ヒョイヒョイと避けて走って行く。

 ハルちゃん、危ないぞ。しっかり捕まっているんだぞ。


「よしッ! シュシュ、あいちゅら!」

「分かったわ! ハルちゃん!」

「こはりゅ、いくじょ!」

「はいなのれす!」


 狙いを定めたハルちゃん。ベア種の中でも大きなベアウルフへと向かって行く。

 シュシュの背中から、高くジャンプしたハル。そして、やっと出ましたハルちゃんの必殺技。


「ちゅどーん!」

「ちゅどーんなのれす!」


 コハルがベアウルフの頭を狙い、飛び蹴りを入れる。その直ぐ後に、ハルがドロップキックだ。

 ギャオォーッと断末魔の叫びをあげながら倒れて行くベアウルフ。


「ひゅぅ~、やっぱちゅどーんしねーと、体がなまりゅな」

「ハル、次なのれす!」

「おー!」


 おいおい、コハルさん。コハルの方が好戦的ではないか?

 また次のベアウルフを狙って走るシュシュ。コハルもちゃっかりとシュシュの背中に乗っている。

 このちびっ子コンビは、本当に手に負えない。


「アハハハ! 相変わらずつえーな!」

「リヒト様、笑ってる場合ですか! 後ろですよ!」

「おう!」


 リヒトとルシカも負けてはいない。あのエルダードワーフの親方に、メンテナンスしてもらったばかりの剣でバッサバッサとベア種を斬り倒していく。

 これは、守備隊の出る幕がないぞ。


「イオス兄さん、自分出る幕ないねんけど」

「アハハハ、仕方ねーだろう。明らかに戦力過多だ」

「あかーん! 出遅れたわ! 自分も行くで!」

「おう、行くか!」


 カエデとイオスも走り出した。エルフとベア種が入り乱れている。

 ベア種は何がどうなっているのか、分かっていないだろう。あっちからもこっちからも攻撃されて為す術がないように見える。

 次から次へと倒されるベア種。

 イオスとカエデも良いコンビネーションだ。カエデが先ず斬りつけたところに、イオスが止めを刺している。師弟コンビも強い。きっとイオスは、1人でも倒せるのだろう。

 これも、カエデの経験になる。敢えてカエデを先に攻撃させているんだ。

 カエデも剣に魔法を付与している。以前は薄っすらとしか光っていなかった剣が、今はしっかりグリーンに光っている。

 魔法の矢も射る事ができるようになり、剣にも魔法を付与している。持って生まれた身体能力を生かして、身軽にベア種と戦っている。

 これはエルフに、劣らないのではないだろうか。


「いっくじょー! こはりゅ!」

「はいなのれす! どーん!」

「どっしぇーい!」


 はい、今日二度目のハルちゃんのドロップキックが気持ちよく決まった。まだまだ行くみたいだぞ。そのままヒョイとハルを乗せたシュシュが、次の獲物を狙って走って行く。


「とぉ! なのれす!」

「ちゅどーん!」


 はい、三回目だ。もう、いいだろう。


「ハル、シュシュ、そこまでだ!」

「あら、もう終わりなの?」

「おわりなのれす」

「えー! りひと、まらいりゅじょ!」

「もういいんだよ!」


 そうリヒトが言った通り、数頭残っていたベア種がドゴーンッと音を立てて倒れた。

 総隊長ポースとリヒトの父と兄だ。手にはグリーンに輝く剣を持っている。

 気が付いて見れば、数十頭といたベア種が見事に倒れていた。

 速くも片付けに入っている隊員までいる。みんな腰に付けたマジックバッグに大きなベア種をシュンッと収納して行く。

 その場を魔法で浄化している者までいる。

 ベア種の群れの討伐は、呆気なく終わった。


「ちゅえーな!」

「アハハハ、そりゃ総隊長だからな」

「とーしゃまも、ちゅえー」

「ガーディアンの総司令官だからな」

「なんら、もうおわりか?」

「ハル、お楽しみのがあるだろう?」

「りひと、なんら?」

「はちみつなのれす!」


 コハルさんは、楽しみにしていたらしい。

 もしかして、その為に張り切っていたのかな?


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