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ちびっ子転生者は手に負えないッ!Returns 〜精霊女王がピンチらから聖獣と一緒にちゅどーん!しゅりゅ〜  作者: 撫羽
第3章 あんしゅてぃのしゅ大公国ら!

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175/220

175ー調子に乗っているよね?

 コハルさん、良いのかな? ちょっぴり調子に乗っていたりするのかな?


「長老、もう一回やるなのれす」

「おう、やるぞ」


 長老まで調子に乗っている。また魔法杖を掲げて長老が詠唱した。


「ピュリフィケーション……ヒール」

 

 白く輝きながら光が精霊樹を包み込む。すると、フワリとクリスタルの実が枝から落ち地面へと吸い込まれていく。

 その地面から、ピョコンと芽が出たかと思ったら、あらあらニョッキニョッキと大きくなって立派な精霊樹に育った。


「おおおーッ! なんとぉッ!!」

「これは、もう言葉がないですね!」


 ドワーフ王と宰相は良いコンビだ。

 長老とコハルがどんどん調子に乗ってしまう。


「じーちゃんばっか、じゅりーな」

「アハハハ、なんだハル。拗ねてんのか?」

「しゅねてねーし。おりぇも、やりてーじょ」

「ハルも、またやっとくなのれす」

「おー!」


 張り切って、魔法杖を出したハルちゃん。え? 杖を使うのか? そのオモチャのような魔法杖を?

 足を肩幅に開き片手に魔法杖、もう片方の手を腰にやり堂々と胸を張っている。そして張り切って詠唱した。


「ぴゅりふぃけーしょん、ひーりゅ!」


 ハルが魔法杖を使ってまで、やっちゃったものだからそれはもう精霊樹が光りまくりだ。

 これ以上は大きくならないのだろう。それでも枝や葉を、生き生きとさせて輝き出した。


「ハル、呼び出してもらおう」

「しょうらな、ひぽ」

「ぶも」


 ハルは何が出てくるかと、ワクワクしているぞぅ。

 ヒポポが鳴いて呼び出した精霊獣。そりゃそうだよ、だっておなじ場所なんだから。


「いっしょら」

「アハハハ。ハル、そりゃそうだろう」

「とかげしゃんら」


 さっきと同じ色合いのトカゲさんが出て来た。それでも、ハルに向かってフワリフワリと飛んでくるのを見ると、ハルは手を出す。


「おいれー、かぁわいいなぁ~」

「ぶもぶも」


 精霊獣はみんな一斉にハル目掛けて飛んでくる。フワリフワリと。背中の小さな葉っぱをヒョコヒョコと動かしながら。


「ハル、大事な事を聞かないとだ」

「じーちゃん、しょうらった」

「ひぽ、聞いてくりぇ」

「ぶも」


 一番最初に出て来た精霊獣の側に行き、ヒポポが頭を動かしながら話をしている。


「ねえねえ、精霊女王知ってる? 来たかな?」


 なんて、言ってそうだ。


「ぶも」

「しょっか、じゃあちゅぎらな」

「ハル、来たのか?」

「しょうら、ちゅぎに行くっていってたって」

「ふむ、それは最近なのか? ヒポポ」

「ぶもぶも」

「ちょっとまえらって」

「また、ちょっと前か」


 この『ちょっと前』というのがミソだ。精霊獣の『ちょっと前』は何百年も前だったりする。

 時間の感覚が違い過ぎるんだ。長命種のエルフ族とも、また違った感覚だ。

 とにかく、ここはもう良いだろう。次に行こう。


「ハルちゃん、寄って来たで」

「な、可愛いな」

「ハルちゃんの方が可愛いわよぅー」


 あらあら、ちびっ子と白い奴が精霊獣と戯れている。結局なんだかんだと言っても、ハルは精霊獣が可愛いと言っている。おいでと呼んで、頭を撫でていたりする。

 精霊獣も、ハルに触られる事が嫌ではないようだ。頭を擦り付けている精霊獣もいる。

 ハルは本当に好かれている。加護の影響なのか、それともハル自身が好かれるのか?


「長老、こんな不思議な光景は初めてだ。同行させてもらって感謝するぞ」

「本当に、陛下の仰る通りです。貴重な体験をさせてもらいました」


 ドワーフ王と宰相が、感動しているようだ。

 今回は、コハルの計らいで特別に見る事が出来た。最後は少し調子に乗っていたような気もするが、良しとしよう。

 本当なら、ドワーフ族には見る事ができない精霊樹と精霊獣だ。今後、もうこんな機会はないかも知れない。


「ああ、名残惜しいな、宰相」

「本当です」


 何度も後ろを振り向きながら、戻って行くドワーフ王と宰相。

 エルフ族の2人はどうした? なんの感想もないが?


「言葉がないですよ」

「長老もハルくんも、規格外すぎる」


 そっちなのか? 長老とハルが使った魔法の方に目がいったのか?


「ロマーティとシオーレ、そっちなのかよ」


 リヒトが思わず突っ込んでいる。


「いえ、リヒト様。もちろん精霊樹や精霊獣もとんでもないですよ。見せて頂いて感謝致します」

「その通り」

「でも、やはり長老とハルくんのあの魔法は、とんでもないですね」

「そう思う」


 シオーレは言葉が少ないのだな。いつもこんな感じなのだろうか?

 そのシオーレがいつの間にかハルのすぐ側に行き、一緒になって精霊獣に手を伸ばしている。


「な、かぁわいいらろ?」

「はい、ハルくんも」

「アハハハ、おりぇはいいんら」


 おお、会話をしているぞ。


「ハル、そろそろ行くぞ」

「おー、じーちゃん。みんなー、またなー!」


 精霊獣に手をフリフリしているハル。そして、長老にヒョイと抱っこされた。


「じーちゃん、おりぇありゅくじょ」

「暗いし足元が危ないからな」

「しょっか?」


 長老が抱っこしたいだけだろう。と、間違いなく誰もが思っている。

 残念そうにしているが、ドワーフ王と宰相、そしてエルフ族の2人はここまでだ。

 ここから、火山地帯のど真ん中にある遺跡まで長老の転移で向かう。

 前回の遺跡調査の時には、青龍王に乗せてもらって行った山の中だ。


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