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ちびっ子転生者は手に負えないッ!Returns 〜精霊女王がピンチらから聖獣と一緒にちゅどーん!しゅりゅ〜  作者: 撫羽
第3章 あんしゅてぃのしゅ大公国ら!

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173/220

173ー地下の遺跡

 さて、城の地下にある遺跡にやって来た一行。また同じメンバーだ。

 王は張り切って付いて来ている。


「私は見たいのだ!」

「陛下、ここまでですよ。私も次は我慢して、行かないのですから」

「宰相、私は見たい!」

「ですから、危険です」


 まだ揉めているらしい。

 ロマーティとシオーレのエルフコンビは、アッサリとしたものだ。


「次は火山地帯ですから、無理ですよ」

「はい、無理です」


 危険なのだ。まさか、突然噴火する事はないだろう。何しろ火山地帯の地下にある大きな設備が、噴火のエネルギーを緩和しているのだから。

 それでも、火山地帯だ。万が一を考えると、同行は駄目だ。


「まあまあ、とにかくこの遺跡を調べましょう」


 ルシカが世話役の様になっている。こんな時は頼りになるルシカだ。


「ハル、分かるか?」

「じーちゃん、変らな」


 ハルがお決まりのポーズで、ワールドマップを見ている。長老に抱っこされ、両手を胸にやり目を閉じている。

 その指をピンと真っ直ぐに伸ばしたお手々が、ぷくぷくで可愛いぞぅ。


「らって、おりぇ、この遺跡に来たことありゅじょ。なのに、真っ白白なんら」

「そうだろう、ワシのワールドマップもそうだ」


 長老のワールドマップも白いという事は、長老も入った事がない場所にあるという事か?


「一度、遺跡の奥まで行ってみるか」

「しょうらな。まら奥がありゅのかも知りぇねーじょ」


 以前の遺跡調査で、見落としたのだろうか? 隠し部屋的なものがあるのか?

 遺跡に入り、そのまま1番奥を目指す。


「な、な、なんと……こんなに大きな魔石が浮いているぞ!」


 おや? ドワーフ王は、ここを見るのが初めてらしいぞ。

 大きなクリスタルに、古代の魔法言語で書かれた術式がリボンの様に絡みつき、上下の魔法陣で固定されている。

 今はもちろん、クリスタルは透明に輝いている。これが、黒くなっていたんだ。

 それをルシカが説明している。

 まるで、ツアーコンダクターだ。いや、解説員の方が合っているか。


「本当はこんなに透明なのですね」

「ロマーティが見た時は黒かっただろう?」

「そうなんですよ、リヒト様。いくらピュリフィケーションをしても駄目でした」


 以前、長老達が来る前に、リョースエルフであるロマーティは浄化を試みていた。だが、力及ばず長老にヘルプをしたのだ。

 その魔石を長老とハルとで浄化した。

 ロマーティ達リョースエルフ種より、ずっと能力の高いハイリョースエルフの長老とハルの2人掛でだ。

 その壁には、例の壁画がある。ドワーフ王は釘付けだ。隅から隅まで目に焼き付けようと、前のめりになって見ている。


「おお! 本当にドラゴンが描かれているぞ!」

「陛下、これは素晴らしいですね!」


 ドワーフ王と宰相だ。


「じーちゃん、ちょっちおりりゅじょ」

「ハル、そうか?」

「ん、しぇいりぇいが話してりゅ」


 ハルは精霊を見る事ができる。話もできるんだ。

 長老に降ろしてもらい、トコトコと壁に向かって歩いて行く。片手で、壁をペタンペタンと触りながら壁沿いに歩く。

 そのハルのすぐそばを、シュシュが守るように行く。


「ハルちゃーん、あたしに乗っちゃうぅ?」

「シュシュ、ありがちょな。けろ、今はのりゃねー」

「あぁーん、そうなのぉー?」


 シュシュは、守るというよりも、邪魔をしていないか?


「シュシュ、わかりゅか?」


 1番奥の壁でハルが立ち止まった。


「ハルちゃん、どうして前は気付かなかったのかしら?」

「分かんねー。けろ、守りゃりぇてんら」

「本当ね、精霊が守っているんだわ」


 説明をしてくれないと、何が何やら分からないぞ。ハルちゃん。


「じーちゃん、この奥ら」

「そうか。またハルが触ったら良いのではないのか?」

「ちげー。ひぽ」


 ハルがヒポポを呼んだ。

 さっき一仕事を終えて、コハルと一緒にハルの亜空間に引っ込んでいたヒポポが、ぶもッと大きなお顔だけ出した。

 頭の上に、コハルが乗って寝そべっている。何をしていたのか?


「ひぽ、この奥に行きてーんら」

「ぶもぶも」


 はいはい、と言うように頭を上下に動かして一度亜空間に引っ込んだ。

 そして、コハルと一緒にポポポンと勢いよく出てきた。良いコンビだ。


「ひぽ、ろーしゅんら?」


 ハルも、どうすれば良いのか分からないらしい。


「ハルの魔力をヒポポに流して手助けするなのれす」

「おりぇか?」

「はいなのれす。この先は精霊獣の魔力に反応するなのれす」


 なるほど、それにハルの魔力で手助けすると?


「ヒポポは自分の精霊樹から、離れているなのれす。だから本来の力が出せないのれす。ハルが助けるなのれす」


 コハルちゃん、もしかして最初からこの先があると知っていたのかな?

 前回は精霊獣のヒポポがいなかった。だから、この先には進めなかったという事だろうか?


「精霊獣のヒポポがいないと、ダメなのれす」


 やはり、そうらしい。

 ハルがヒポポの背に……いや、お腹辺りに手を当てる。


「ひぽ、いいじょ」

「ぶも」


 ヒポポがハルと一緒に奥に近付き、一鳴きした。


「ぶもぉッ」


 すると、あらあら不思議。奥の壁だと思っていた所が揺らぎ、扉のように左右に開いた。あの壁は幻影だったのか?


「な、な、なんと!?」


 またドワーフ王が驚いている。しかしこれは、さすがの長老も驚いていた。


「精霊獣がいないと反応しないのか。それは前回、気づかなかったはずだ」


 扉の先はどうなっているのか? 既に光が漏れ出しているぞ。


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