第9話
「せいかって言うのかー」
「世界です」
今更ながらだけど、相手にしないでおこう。
そうすることで、収まってきた。
俺、勝恋、父さんに連れられ、リビングで父さんの飲み散らかした酒が転がっているちゃぶ台を三角形で囲うように正座している。
「んで、勝恋。 何故ここに来た?」
「いじめ殺しが私たちの家にも現れたのよ」
「何だって?」
「妹もお母様も殺されたわ」
「あいつはいつか死ぬだろうとは思っていたが娘までとはな」
俺が不思議そうな顔をしてると
「あいつとの離婚理由はとにかく暴言が酷くてな、口癖が『人としてどうなの』だから離婚した」
「それだけの理由ですか?」
「いや、他にもある。言い出したらきりがないくらいに」
「それはそうと」と姉貴。
「いじめ殺しが何なのかそして何故ある日突然現れるようになったのか、何故私たちの家に住みつくようになったのか」
「ちょっと待てよ、俺にもわかるように説明してくれ」
二人だけでわかるように、話を進められたら、俺がいる意味がない。
「いじめ殺しは私たちの家に住むようになったの。
しかも今日から」
「あれって住んでるの?」
すると酒を飲みほしてしまってもう飲む酒がないと確認した父さんが
「いじめ殺しはな、呪縛霊みたいなものでその場所にとどまり、この場所から離れられないんだ。
例えば学校の一階トイレだけに存在するとか階段だとか、その場所から離れればいじめ殺しは追って来れないんだよ」
「そもそもいじめ殺しって何なんですか?いじめ殺しって本当にいるんですか?」
「元からいたものではなかったけど、いるね」
「ということはいなかった時代もあるんですか?」
「いなかった時代というか、ここ最近になってから現れたんだ。
それまではいじめ殺しなんて認識もなかった」
「宇宙人か何かとか」
「いや、そんなものじゃない。
いじめ殺したちの話によると『異世界との狭間に生息している』そう。
つまり、異世界とわし達の世界を行ったり来たりできるらしい」
「実際いじめ殺しから話聞いた人もいるんですか?」
「ああ。 いじめの被害者だけが生き残るからその人たちが目撃情報を出したり、実際いじめ殺しから話を聞いているそうだ」
「実際どのくらい情報は集まったの?」と姉貴が口を開いた。
「結構集まったよ」と父さん。
「いじめ殺しは元々人間だったそう」
「人間!?」と俺。
「そうだ。だけど異世界と人間世界の狭間に迷い混んだらいじめ殺しとなったらしい」
「そんなわけないでしょう」と俺。
「感染症とか何かじゃないの?」と姉貴。
「そこらへんは、元凶もわかったことだしな」
「元凶‥?」と俺。
「黒船 あぶき奴が黒幕だ」
普段無表情の姉貴も驚いた様子だったけど俺も驚いてる。
「まさか、こんな早くにわかるなんて」と姉貴。
「いじめ殺しが言ったからね。
黒船あぶきがいじめ殺しを使って中国の人口を一億以下にしたこともいじめ殺しが明かしている」
「よくわからないよ。 だけど犯人がわかれば警察も動けるってことですよね?
でも、そもそも黒船あぶきって何者何ですか?」
「この事件を起こした全ての黒幕。黒船あぶきは人間だ。 奴の目的はいじめをなくすこと」
「いじめをなくしたいなら何故いじめ殺したちはそんな殺人事件なんか起こすのですか?」
「そこが黒船あぶきのわからないところだ」




