第2話
「大変よー」
といきなり憂狩が俺の方へ駆け出したのが声でわかったので、机で突っ伏していた俺は顔をあげて
「またお前か」
「またじゃないわよ。 聞いた?
中国の人口が謎の連続残虐事件により、人口が一億以下になったそうよ」
「マジで!?」
これは、驚かないわけがなかった。
たしか中国は人口13億で有名なはず、それがそんな1億以下になるか?
「なんたっていじめ殺しが次々に殺して中国の人口を減らしたそうよ」
「そもそもいじめ殺しって簡単に言うけどそんなもの本当にいるの?」
「あたしも見たことないけどいるらしいのよ。
いじめの集団の所にいじめ殺しが駆けつけて、いじめっ子を次々に殺して、いじめられっ子が何人も助かっているらしいわ」
「その話とくと聞きました」
とうちのクラスメイト陸野ぐりが、向こうにある憂狩の机の下から現れた。
「きゃあ、どこから現れているのよ?」
「どこからだっていいじゃないですか?」と陸野。
「よくないわよ」と憂狩。
憂狩は、顔を真っ赤にして怒っていた。
その時、朝のチャイムがなると同時に陸野や憂仮それぞれのクラスメイトが席に着き、その後何分がたたないうちに担任の残野先生が教室に入ってきた。
そして教卓の近くまで来て
「皆さん、悲しいお知らせがあります」
朝から悲しいお知らせなんてあるか。
どうせ、生徒に興味を向かせようという何かだろ。
担任のやることなんて、見てきてるんだからわかるんだ。
「生徒会長が何者かに殺害され、遺体が体育館倉庫で発見されました」
その瞬間教室中の空気が一気に冷えきった。
この様子だと、冗談ではなさそうだ。
「最近だと中国の人口も謎の連続殺人事件によって人口が一億以下に減ったと言うし、他校の生徒も何人か遺体として発見されているし、犯人もまだわからないため全国の学校は明日から急きょ臨時休校となる。
校長先生からも今日は危険だから君たち早く帰りなさい、と。
ということでみんな一斉下校、部活もやらない」
謎の連続殺人事件が理由で学校が休校?
聞いたことない。
学校が休みになったということを喜んだ方がいいのかどうかわからなくなった。
そのあとすぐに一斉下校となった。
憂仮は他の女子と帰るため陸野と一緒に帰った。
「しかし、まさか生徒会長まで‥」
陸野が口を開いた。
「俺も思わなかった」
「生徒会長はいじめをしていましたよ」
「それとこれとは関係ないだろ」
陸野まで、信じているのか?
「ありますよ。 中国の連続殺人事件の被害者はみんないじめっ子だそうですよ、いじめ殺しがやったと証言する人が何人もいるそうで」
「陸野までそんな噂を信じているのか、いじめ殺しなんているわけない」
「偶然にしてはおかしい気がしませんか?
被害者がみんないじめっ子だなんて」
言われてみれば、そうだ。
殺人なんて普通なら顔を見られたくないから、全員皆殺しのはすだ。
「そうだとしてもただの偶然かもしれない‥‥。
第一1人や2人ならともかく何人もの人間がいじめっ子なんて知ることできるのか」
「生き残った人が見たって言いますからね」
「どうせデマだろ」
「デマにしたら不自然ですよね」
本当なのかも、という気持ちはあった。
だけど、それが現実だと受け入れたくなかった。
いじめ殺しなんているなんてそんな漫画みたいなことあるわけない。
最近になってからいじめ殺しの噂なんかたてられたけど宇宙人がいると騒いでいるのと同じだろ。
何で、最近なんだ?
ちょっと前までは、噂ですらも聞いたことがなかったんだ。