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第1話
「ねえ、いじめ殺しって知ってる?」
生徒会副会長に聞かれて
「知らね」とめんどくさく答えた。
俺は彩崎 世界。
どこにでもいる普通の高校生だ。
「ん、もう」
生徒会副会長の憂狩 ゆずきがイライラしたような口調になった。
「無頓着よね」
「悪かったな」
「あのね、最近近頃いじめ殺しって言って、奇妙な怪物がいじめた人に襲いかかり、しまいには殺してしまうって噂よ」
「いじめられた人が悔しくて流したデマだろ」
俺は、そこまで本気にしていなかった。
そんなおとぎ話に出てきそうな根拠のない話を、簡単に信じられるか。
「ほんとよ? いじめた人が何人も死体として発見されて警察もいまだに犯人がわからないみたいだよ、うちの学校でも出たらしいの」
「たしか先週先輩たちが亡くなったんだよな」
「そうそう」
うちの学校の三年生が一人の女子クラスメイトを内容は知らないがいじめを行っていたらしい。
その四人組が先週女子トイレで遺体として発見されていたらしい。
中にはいじめられた女子クラスメイトが復讐として殺したと警察にも疑われ、校内で噂になり不登校になり、高校も中退している。