霊能者黒木2
part2
「と、言うわけで黒木ちゃんのマネージャーになりました。秋田舞です、趣味は映画を鑑賞してツッコミを入れることです」
「いやお前…刑事じゃなかったのか?」
お世話がかりを担当するにあたって黒木ちゃんに自己紹介をしてみたのだが、そこから説明しなくてはならないらしい、テンポ悪し。
「まぁ説明したくないならしなくてもいいけどよ…興味ないし」
「ひどい、聞いてよ」
「どっちなんだよ!」
まぁ聞いてほしくないのだが
「ケルちゃんのくれたスケジュール表を見るに、今日は超能力対決って事で別の超能力者とどっちが未解決事件の犯人を当てられるか競争するみたいだね」
「あー、なんか言われてたな、テレビのやつだろ」
「そう、近頃話題の番組だね、私は逆張りで一切見てないけど」
「お前の嗜好に文句を言うのは控えてやるから、仕事の時はちゃんと予習くらいしてくれ」
「でもさー」
この対決、そもそも根本的な問題がある
「黒木ちゃんって霊能力ないんだよね?じゃあ犯人わかんないじゃん」
「まぁそれはそうだな」
「どうするの?」
「お前が考えろ」
清々しいまでの丸投げ具合に腹が立つが、しかし仮にも未解決の事件ともなると私にはなすすべがないように思える。ここは別の人に丸投げした方がいいかもしれない、バケツリレーだ。
「犯人はケルちゃんに聞こう」
「名案だ」
ケルちゃんが解けなかった場合は知らない
「まぁ山積みの問題のことは一旦忘れて敵状視察にでも行こうよ、対戦相手は…安石二郎さんって言うんだって」
「ふーん、どんなタイプの詐欺師なんだ?」
「詐欺師とはわかんないじゃん…なんでも、仏教系らしいよ、仏の力でホトケの謎を解くんだって」
「罰当たりな言葉遊びだなおい、仏教徒の名が泣くぞ」
「こう言うキャッチコピーって本人が考えてるわけじゃないと思うけどな…楽屋は隣みたいだし、局に着いたら荷物置いてすぐ会うことにしようか」
「了解」
ここまでとんとん拍子に進んだが、私はひとつだけ重大なミスを犯していたことに気付いた。
「まずい…もしかしてこういうのって差し入れ的なものが要るの?今財布に570円しかないんだけど」
「何がひとつだけだ、それ以前にお前局までのバス代も持ってきてねぇじゃねえか」




