名探偵黒木5
part 8
「え⁉︎これまだ続いてたの⁉︎」
「そう言わないで下さいよ、人間いろいろあるもんなんです、更新頻度を保つには犠牲がいるんです」
しかしこのパートはいわば消化試合、後日談、将棋の感想戦である。これから話されるのは事件後の後処理なのだから。
「この女子会、場所はどうにかならなかったんですか、カラオケボックスって」
「しょうがないじゃん、ケルちゃんがビキニで来るって言ってきかなかったんだから、普通の飲食店とか選べなかったんだもん」
そして女子会ではなく事件後の情報交換という名目のはずだ。この歳で女子を自称するのは結構キツい
「とりあえず女将さん(偽)は送検されたよ」
「それは良かった、また一つ世界が平和になりましたね」
「そんな大仰なことじゃないんだけど…」
女将さんはケルちゃんの助力もあって無事に捕まえることができ、そのまま警察に引き渡された。ていうかケルちゃんめっちゃ強かった。
「テコンドーとかやってたの?」
「何故テコンドーかは知りませんが、武術はやっていませんよ、あの捕物は単なる腕力のなせる技です」
「そっかぁ…」
腕相撲とかしないようにしとこう
「さて、トラックも説明した、女将さんの後も言った、他にすることはありましたっけ?」
「あ、ひとつだけ聞きたいんだけど」
「どうぞ、秋田さん」
「結局回収されてない伏線が一個だけあって…そもそもなんで黒木ちゃんが『名探偵』なの?」
今日黒木ちゃんは呼んでない、ケルちゃん曰く『聞いてもどうせ理解できないし、聞くかもないだろうから』だそうだ。私もそう思う
「あー、それはですね、元々の予定ではストーリーの最初に明かすつもりだったのです。編集ミスでぶっ飛びましたが」
「それ、今言っちゃう?」
最後の最後でいうことか?これ
「結局ですね、黒木ちゃんは紛れもなく名探偵かつその素質を持っているから名探偵と呼ばれるのです。」
「あった?そんな素質」
見ている限り全く感じなかった、あの他人の話を聞かないところとかは名探偵らしい(負の面)って感じだったが
「えぇ、何せ黒木ちゃんは2泊3日の小旅行にいっただけで、『二人も殺される大事件』にまきこまれているのですから」
「?」
不思議そうに首を傾げる私を見かねたようにケルちゃんは畳み掛けた
「つまりー、ここでいう素質とは、『事件に出会う』素質なんですよ、言い換えればトラブルに巻き込まれやすい不運さ、それが名探偵の資質です」
「それは…推理力とか体力とか情報収集能力より必要なの?」
「はい勿論、だって秋田さんが先にあげたもの全部…『名探偵』の素質ではないでしょう?それらを持てば優れた人間にはなるでしょうが、『名探偵』にはなれません、だから黒木ちゃんは『名探偵』なのです」
「へー…」
まぁ本人はそうは思っていなさそうだが、自分が全部の才能を持っていると思ってそうな子だった
「ま、何はともあれ事件は終わりました、私には次の仕事が待っていますので失礼しますよ、手頃に手柄をあげたければまたご連絡ください」
「手柄って…」
「何せ名探偵がついていますからねぇ、なかったはずの事件すら起こせますよ」
「やだなぁ…」
「ふふっ、ではまた」
「うん、さよなら」
こうして別れた時には全く思っていなかった…私がこうも早く彼女達に再会し、謎に満ちた不可思議な自殺の真相を明かすことになるとは…
「秋田さん!さっきカラオケから出ようとしたら人が降ってきたんですけど!」
「いや、早すぎひん?」




