名探偵黒木4
part6.
「解決編ってつまり…本当にわかったの⁉︎犯人の居場所が⁉︎」
「はい、というより秋田さんは勘違いをしています、ただこれから説明してもね、ほら、投稿頻度とかの関係でこういうのっていまいちピンとこないと思うんですよね、だから最初にこれまでのあらすじとかを挟んでいただけると…」
メタい、新しく読み始める人とかいたら整合性がつかなくなっちゃうやつだし。
「お願いしますよ」
「わかったよ…じゃあ最初からね」
part6.(再)
「私秋田舞!今日は山奥まで強盗殺人事件の捜査に来たんだけど、そこで名探偵を名乗る女の子、黒木ちゃんと出会ったの!彼女と話した後は気が強い女将さんと話してみたけど特に情報は得られなかったわ!そして黒木ちゃんに会いに駐車場に戻ったら、なんとそこには変態コスプレ女がいたの!更にその女が事件の真相が分かったと言い出して、これから私、どうなっちゃうのー!」
「なんか想像してたのと違いますね!なんで少女漫画風なんですか?あと私の評価酷すぎますよ!」
「俺の評価に『美少女』と『大天才』を加筆しろ」
ケルちゃんの評価に関しては順当だと思う、むしろそれ以外には何も言えないような格好をしている。あと黒木ちゃんの評価には『傲慢』を加えておく。
「そんなにですか…」
「ごうまん…?どういう意味だ?」
傷ついた様子の変態コスプレ女とアイスをしゃぶりながら考え込んでいる幼児はさておき、私が聞きたいのは事件の真相である。
「本来なら様式美として、みんなを集めて初めて情報を開示したいところなのですが、今回はそうはいきません。何せ強盗殺人ですからね、探偵が殺されるという万一のケースもあり得ます。そこで情報を開示する代わりに、秋田さんに頼みたいことがあるんですよ。」
「何をすればいいの?」
本来なら警察が一市民に教えを乞うというのはご法度なのだろうが、正直考えても何もわかんないし、大人しく従った方が手柄が得やすい気がする。
「手錠貸してください」
「ダメに決まってんじゃん!始末書モンだよそれは!」
とんでもないことを要求してきたな…
「まぁダメならしょうがないですね、これでなんとかしますか」
そういうとケルちゃんは白っぽいヒモのようなものを取り出した
「何それ?」
「ちょっと変わった結束バンドです、本来プレイ用なんですけど拘束にも使えるんですよ」
「本来は別にプレイ用じゃないからそれ、工具だから」
「といっても長時間の使用に耐えるものではないので、その後すぐに秋田さんが手錠をかけてくださいね」
「俺にはなんかやることないのか?」
「黒木ちゃんはなーんにもしなくていいですよー、むしろ何もしないでください、ほら、アイスの追加を買ってあげましょう」
「わーい!」
と、ここまで話したところで、遅まきながら気がついた。今ここで犯人を捕まえる話をしているということは、犯人は必然的に…
「あ、わかりましたか、その通り、この殺人事件の犯人は、私たちが言うところの女将さん、あの気が強い女の人ですよ」
part7.
「つまりですね、秋田さんは最初から女将さんには会っていなかったのですよ。本当の意味で会っていたのは黒木ちゃんだけ、まぁ黒木ちゃんは女将さんの顔を覚えていなかったようですが」
「どう言うこと?私は彼女にちゃんと会ったし、話まで聞いたのよ?」
「その『彼女』と言うのが別物なのですよ」
ケルちゃんが言ったあらすじはこうだ。
「まず強盗犯、これは間違いなくこの場所に来ています。犯行周期や狙う場所などを秋田さんから聞くに間違いはないでしょう。間違いがあったのはむしろ犯人の方です」
「間違いって?」
「調べが足りなかったのか何か予定違いがあったのか…本来無人の時を狙うべき強盗の現場に、旅館の女将さんとその夫がいたのです。そして犯行を見られて、二人とも殺してしまった…まぁこんなところでしょう。」
「待って、だとしたらこの旅館に今いる女将さんは…」
「はい。犯人が入れ替わった偽物です。」
私はこの真相に驚愕した…
そして(多分)はじめてこの事件の真実を知り、驚くはずの黒木ちゃんはなんか眠そうにしてた。
起きろ、ちゃんと聞け。
「根拠はなんなの?」
「まぁ違和感は色々とありましたが…一番大きかったのはなんといっても、旅館の女将が黒木ちゃんのことを常に『女の子』と呼んでいたことですかね」
そういえば確かにそうだった、あの女将さんは一度も黒木ちゃんの名前を呼ばなかった。
「一応お客さんなのですから、普通は『黒木様』とか『黒木さん』とかそんな感じで呼ぶのでは?まぁあの見た目だとどうにも似合いませんが」
「確かにちょっと変かもしれないけど、どうして…」
「名前を知らなかったんでしょう、黒木ちゃんは本来の女将さんが殺される前から泊まっていたんですから。そして事件が起こったあと、恐らく女将さんの遺体を隠してから、旦那さんの遺体を隠す前に黒木ちゃんに見られたのです」
そして通報されたというわけか…黒木ちゃんが泊まっていたことも、犯人は把握していなかったらしい、計画ガバガバじゃないか。
「まぁそう言わないであげてくださいよ、黒木ちゃんの宿泊は多分アポ無しの思いつきなんですから」
「迷惑な客だなぁ…」
そんなやつを泊めてくれた優しい人が亡くなったんだなぁ…悲しいことだ
「で、それに気がついて焦ったものの警察が来る前に通報者を殺すわけにもいかず、来た警官がたった一人だったことから、これ以上まずい状況になる前になんとか逃げ出そうとしている…とまぁこんなところですかね」
「成る程…なんかいくつか矛盾もありそうだけど大体わかった」
「まぁ女将さんが用意したというお茶に睡眠薬とかが入っていると思いますから、そういうのを証拠として提出すれば推理完了ですかね」
「あ、ただ一つだけ聞かせてほしいんだけど」
ケルちゃんの推理には一つだけ大きな疑問点があり、そこがずっと気になっていたのだ
「その話の通りだと、黒木ちゃんは途中から女将さんが変わっていたことに気付かなかったことになるよね、それはおかしくない?」
「?」
黒木ちゃんがなんだか不思議そうな顔をしてこちらを見ている…どうやら未だにケルちゃんの推理を理解できていないようだ。名探偵って何だよ。
「ああ、簡単な話ですよ」
私の疑問に、ケルちゃんは事件が完全に解決したことを確信させる、晴れやかな笑みで答えた。
「だって黒木ちゃん、おバカですから」




