霊能者黒木7
part 7
結局ケルちゃんは犯人の動機に関しては話してくれなかった。
「まーそう不貞腐れないでくださいよ、それより犯人の捕まえ方を伝授するのでそっちを頑張っていただけると嬉しいですねー」
「犯人の捕まえ方って…犯人がわかってるならビシッと捕まえちゃえばいいんじゃないの?」
「いえ、犯人はまだわからないんですよ」
「???」
まさかとは思うがその辺を歩いている人を片っ端から捕まえるとかそう言う感じだろうか
「なるほどな…その辺を歩いてる奴らを片っ端から捕まえるんだな!」
「うふふ、黒木ちゃん、チョコをあげるので私が話終わるまで黙って…いや、待っていて下さい」
「チョコうめえー!」
一瞬でも黒木ちゃんと同じ考えをしてしまった自分に心底失望した
「まぁ秋田さんは流石に黒木ちゃんとは違うと思いますが、まだ正解はわかりませんか?」
「うーん、わからないな」
どうやらケルちゃんは私を随分高く買ってくれているようだった。信頼を裏切ってしまった
「まぁ簡単なことなんですが、秋田さん、黒木ちゃんと一緒に盗聴してた時のことを覚えてますか?」
「あー、あれね、うん、あの時、うんうん覚えてる覚えてる」
「見栄を張らないで下さい…」
覚えてるふりをしたことは謝るからそんないたたまれない表情をしないでほしい
「期待はしてませんが…黒木ちゃんは覚えてますか?」
「勿論だ、確か伯爵がクラリスと結婚しようとしてることがわかるんだよな」
「それはカリオストロの城でのルパン三世の話ですよ、あなたたちはどちらかと言えば銭形警部側でしょう。そうじゃなくてこの前の安石さんを盗聴した時のことを覚えてませんか?」
「安石?誰だそれは」
流石黒木ちゃん、期待を裏切らない忘れっぷりである。正直ここで覚えてたら私が劣等感で傷ついていたのでファインプレーにすら感じる。
「まぁここで黙っていても仕方がないのでもう言っちゃいますが、お二人の話ではたしか、安石さんは今の知名度を得るために『小細工』を弄していると言うことでしたね?」
「言ってたっけ?」
「さあ?」
「…」
「おい、ケルちゃんが一周回ってキレそうになってんじゃねえか、早く思い出せよ」
どうやらケルちゃんは私たちのあまりの出来の悪さにイライラしてきたらしい、小学校教諭には向かないタイプだ
「うるさいですよ、大体小学生と一緒くたにされてるようなことを恥じて下さい。」
「それはもう、ぐうの音もでない正論だね…」
「その小細工に問題があるんですよ」
どうやらケルちゃんは強引に推理を進めることにしたらしい、非常に正しいと思う
「ちょっと調べてみましたが、安石二郎、なかなかの悪人ですよ…もし安石の裏の顔に警察が気付いてしまえばマンパワーの違いであっという間に犯人が捕まってしまいます。その前にお二人が犯人を捕まえ、自分たちの手柄として言い張るんですよ」
「なんかしょぼいことしてる気分になるね…手柄の取り合いって感じ」
お膳立てしてもらっている私たちが言えたことではないが
「まぁ探偵の仕事なんて大体はしょぼいものですよ。本題に戻りますが、私の調査を加味すると白昼堂々、殺人未遂までやらかした犯人は安石さんが生きているままにはしないでしょう、確実にもう一度とどめを刺しに来ます」
つまり私達がやることは…
「安石さんの病院を張り込んで私自作の容疑者リストを参照し、リストに載っている人に片っ端から拘束(違法)と強制持ち物検査(違法)を行って下さい」
「めちゃくちゃ銭形警部がやってそうだな」
「結局私達は銭形警部側なんだね」




