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黒木s  作者: ちのの
11/20

霊能者黒木6

part6


「いやそんなわけないんですよねえ!」

「うわびっくりした!」


あの事件からきっかり3日後、安石さんはなんとか一命は取り留めたらしいが意識不明の重体で、彼が殺されかけたことで例の番組の放送も見合わせとなっていた。つまり私は暇を持て余していたのだが…


「な…何?ケルちゃん」

「いやいやいや…ダメでしょ!探偵が!名探偵が捜査を警察に任せきりにしたら!」

「そんなこと言われても」


事件時、警察には従う。市民の義務である


「そんなこと言ってたら明智小五郎もコナン君も金田一少年も冴羽獠も生まれないんですよ!」

「後者の2人は生まれないことによるメリットも割とあるのでは…?」


第一、我が元同僚の発言によれば、すでにこの事件は解決している頃合いとのことだった。もう解決している事件をどうしろというのだろう


「まずそこが間違いなんですよ」

「間違い?」

「解決してません、警察は未だに容疑者を絞り込めていないようです」


聞けば安石さん、仏教徒の皮をかぶっていながらも筋金入りの拝金主義者だったらしく、『無駄金』を使わないようにするためにあらゆる縁を切りまくっていたらしい。それゆえ彼を殺すメリットがある人間は事実上存在しないのだそうだ


「『他人』に対しての外面はいいタイプだったようで、近所の皆さん達からの評判もよく、割と仲良くやっていたようですよ。所持金にも手をつけられた痕跡はなかったようですし…」

「なんていうか…ある意味無敵の人だったんだね」

「そうですか?実際死にかけてるんですからもっと鍛えるべきだったのでは?」


ケルちゃんは防犯対策を聞かれた時にスポーツジムでも紹介するのだろうか


「ていうかよくそんなことまで知ってるね、やっぱ長年探偵やってたら耳聡くなるもんなの?情報屋とか使っちゃったりして」

「いえ、警察にハッキングかけました」


すごい軽い感じに罪の告白をされた。現役時代ですら味わったことがないスピードの自白だ


「ダメでしょそれは!第一どうやってそんなことを…!」

「警察の人と合コンでラインの交換をして、それを通じてウイルスを送り込みました」

「最悪な手法を使うな!探偵っていうか悪質なマルチの人だよどちらかと言えば!」   

「使えるものは全て使う、これが探偵の第一歩ですよ」

「豪快に踏み間違えてるよ!明後日の方向に猛進してるよ!」

「探偵には逆らうな、これが探偵助手の第一歩ですよ」

「悪質ー!」


いくら責めても少しも悪びれる様子がない、絶対探偵よりも犯罪者よりの人材だ


「そもそもですよ、私用のパソコンと仕事用のパソコンって、普通分けませんか?」

「ぐっ…それは確かに」


警察の教育が徹底されていなかったかもしれない


「まぁ分けてないことを確認してからその人を誘ったんですが」

「狙い澄ましてるじゃん」


そこまで正確に警察の情報を調べているなら、なぜ私達にこの事件を解かせるのかという疑問がある


「それはもちろん貴方達のことを信じているからです…というのはまぁ当然として、私としては黒木ちゃんと秋田さんが契約後に出会ったはじめての殺人事件、いわばファーストキルを大事にしていきたいわけなんですよ」

「ファーストキスみたいにいうな、そんな甘酸っぱいものじゃなかったよ絶対」


あと安石さんは死んでないから


「プラスで理由を考えるなら…そうですね、安石さんを殺そうとした人がいるのに、安石さんがまだ死んでいないことが一つ、問題なんですよ」

「でも安石さんを殺すような理由がある人なんていなかったんでしょ?」

「いると思いますよ?」


さっきまでケルちゃん自身がそんな人はいないという話を散々していたのでは?混乱した私は助け舟を求めて黒木ちゃんの方を見た。


「何こっち見てんだ、失せろ、俺は今公園で拾ったどんぐりの何割に虫が入っているのかを計測するので忙しいんだ」


大方の予想通り黒木ちゃんはケルちゃんの話すら聞いていない様子だった。あと事務所の掃除係は私なので、変なゴミを持ち込まないでほしかった。


「砂浜に穴がよく空いてるけど、あの穴の中に何がいるのかはわかんねえんだよな。見つけようとして掘り返してもすぐ穴が塞がっちゃうし」

「話を聞かないだけならまだしも、フリートークを始めるのはやめて、しかも微妙に気になるやつじゃん」

「俺の予想ではもぐらの呼吸穴という線が濃厚だ」

「もぐらって海辺にいるのかな…?」


姿だけで言えば海獣のオットセイやアシカにも少し似ているけど


「あのー、できれば動機の説明をしておきたいんですけど」

「あ、ごめんねケルちゃん、話を途中で遮っちゃって」

「まぁいいんですけどね、極論動機とか犯人を捕まえてから聞けばいいし………いやそれでいっか」

「ん…?なんか…どうしたの?突然納得した感じになったけど」


何かすっきりとした表情をしていたが、犯人をひっとらえる妙案が私との何気ない会話から閃いたのだろうか


「いえ、動機の説明って今ここで得意げにやって外れてたらやなので、犯人から直接聞くってことにしていいですか?」


………えー

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