Web小説サイトに表紙イラストをつける機能は必要か
幾多の小説作品が押し並ぶweb小説サイトに、表紙イラストが投稿出来るサイトもいくつかある。
この機能、一件有意義な、或いはあって損はない機能にも思えるが、本当にそうだろうか。
まずはメリットを見ていこう。
それはなんと言っても読者の目を引く所だろう。
一般書籍でも『表紙買い』という言葉があるように、綺麗なイラスト、好みのイラストが写っていればそれだけで中を覗いてみたくなる力がある。
『web小説においてタイトルは読ませるためにもっとも重要な要素である』という説があるが、おそらく表紙イラストもそれと同等かそれ以上の力があるものと思われる。
作者にとって『読者を吸引する要素』が増えるのであればそれは非常に喜ばしい事だろう。
では何を懸念を感じる事があるかと言うと、それはズバリ『イラスト作成のハードルの高さがWeb小説とアンマッチなのではないか』という点である。
例えば貴方が気に入った小説があったとして、「自分もこんな物語を書いてみたいな」と思うとする。
あるいは人気小説を読んで「これなら自分でも書けそうだし書籍化目指していっちょ書いてみるか」と思ったとする。
それをきっかけで、書くことが出来てしまうのだ。
多くの人は目標を叶える前に、どこかで壁に当たるが、それでも努力をし続ければいつかは叶うかもしれない。
中には本当にすんなりと理想の物語を書き上げてしまう人もいるだろう。
『人気のあるタイトル』にしてもそう。
「こんなタイトルが流行りなのか。じゃあ自分も読者を集めるためにそういったタイトルにしてみよう」と思えば、ものの数十秒でもっとも吸引力のあるタイトルを書くことが出来てしまうのだ。
そのとっつきやすさにより、サイトには多くの作者が集まる。面白い作品が増えれば読者も増える。
そしての数多の作者が切磋琢磨していくうちに業界が肥大化、活性化していったのがこの『小説家になろう』だと考える。
そこに表紙イラストが追加されるとどうだろう。
読者としては基本的には嬉しい要素だ。気に入った絵を見て作品を読む事が出来るのだから。
しかし、作者としてはどうだろう。
素晴らしい絵を見て、「自分も描いてみよう」と思える作者がどれほどいるだろうか。
素晴らしい絵を描けるつもりで描きだす作者がどれほどいるだろうか。
仮にいたとしても、大半の作者は『Web小説サイト』ではなく『イラスト投稿サイト』の住人になるのではないのだろうか。
自分で頑張って描いたとしても、あるいは外注して理想かそれに近い絵を貰ったとしても、それには相当な労力や金額がかかるだろう。
そこまでして入手した『読者を集めるために入手した表紙イラスト』が思う効果を得られなかったら?
これがタイトルだったら考え直せばいい。別のタイトルが思いつけば既存の作品を直してもいい。新作を書く際のネタストックにしてもいい。
しかし、多大な労力もしくは金額がかかるイラストであったならそうもいかない。
そう、『Web小説におけるもっとも重要な要素』が『文字』から『絵』に変わってしまったのならば、『手軽に始めてみよう』と読者に思わせる事が出来なくなってしまうのだ。
これにより作品の母体数は思うように伸びず、文化の発展が無くなり、いつしか読者も消えていき、サイト全体に活力が無くなってしまうのではないだろうか。
表紙絵を導入しているサイトで活性化しているサイトもあれば、その逆もあるのでやはり一概には言えないだろう。
しかし、ただの一個人の意見に過ぎないが、それでも私は『Web小説は文字が最大の目玉でなければならない』、という説を唱えておく。




