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群像転生物語 ――幸せになり損ねたサキュバスと王子のお話――  作者: 宮島更紗/三良坂光輝
二章    ―― 夢と空の遺跡 ――
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 幕間 『瞳の住人』







『それで、いいの?』


「――っつ、」

 フィリーの唇に近づいた瞬間、頭の中を何かが駆け巡った。

 鋭い痛みが走る。

 同時に何か、声が聞こえてきた。それはとても、懐かしい声だった。


 痛みは一瞬で、淡い幻想のように消え去る。

 私は首を振り、止めていた動きを再開する。


 私は、フィリーの頬に手を当て、顔を近づける。

 これで、私は、私は――


「……え?」

 私はフィリーの瞳越しにそれを見た瞬間、体の時間が止まり、動きを止める。


 それを見た瞬間、心臓が高鳴る。本能が何かを訴えかける。


 錯覚? ……ううん、ハッキリと見えた。



 フィリーの瞳越し、そこに映る私の目が青白く光っていた。


「ノエル……」

 フィリーが言う。


「う、ううん、何でも――」


「好きだ」


「へ!?」

 さっき二度と言わないって……


「好きだ」


「ちょ、ちょっと」


「愛してる、アイシテル」


「フィリー……?」

 フィリーの瞳が、濁っていく。真っ直ぐな瞳が失われていく。


「好きだ、ノエル、スキダ」

 違う、これはフィリーじゃない。フィリーはこんなことは言わない。


 ――!?


 一つの事実が、頭をよぎる。

 思い出した。

        大事な事を、私は忘れていた。

        そして震えた。

        足の力が抜けていく。



 ――そんな、じゃあ、じゃあフィリーは……――




私は地面に崩れ落ちた。


……嘘だ。嘘だ。嘘だ! 嘘だ!!



声にならない声を出す。涙が溢れてくる。


「フィリー……ふぃりぃ……わたし、わたし、…………うぁああああああああ!!!!」             


――いや! いやだっ!! こんなの、あんまりだ!!――




「私は……私はッ!……」



































 私は、婬魔、サキュバスだ。











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