1 さようなら、こんにちは!
1 さようなら、こんにちは!
「…。」
「………。」
「よし、こういう時は通報っとー…。」
「なぁんでですかぁぁ!」
少女の甲高い声が響く。
いや、普通通報するだろ。家に帰ったら知らない少女が自分の部屋に居るんだぞ!そんな事あるか!
「普通ならここは喜ぶべきでしょう!」
ブロンドの髪を遊ばせ、大きな瞳でこちらを見つめる。歳は15、6歳くらいだろうか。華奢な体だが出るところはしっかりと出ている。まるで絵に描いたようなむぅっとした表情で「一人暮らしの俺の部屋」でつっ立っている。
いや、待てよ…。
これは幻覚か…。
「こんな私みたいな超絶美少女がお出迎えしてくれるなんてあなたみたいな人は一生ないでしょうからね!」
「うん、多分そうだ…最近はろくに長い睡眠取ってなかったし疲れてんだなぁ俺……」
「あのー私の話聞いてますかー。」
とりあえず30分でも寝とくか…
「あの!私の話聞いてませんよね!なんかなかった事にされてません!?」
「とりあえず話だけでも聞いてくださいって!」
「本気で寝るつもりですか!人が話してるのに!」
なんか騒がしいが少し寝れば落ち着くだろう。
俺はそのままの格好でベッドで横になり……
目を閉じた。