6/65
6
名刺交換した。パムホに表示されたカードには、
『神奈川県茅ヶ崎市・第1管区小学校5年』とあった。ならば遠慮することはない。こっちだって、
『東京都港区・第13管区小学校5年』なのだから。
同学年。――何だか安堵の心持ちだ。
ただ、相手の早生まれの関係で、自分の方がほぼ一年、年上であることがわかった。
判明したとき、相手が謎のガッツポーズをとるのが不思議だった。そんなに弟分がいんだろか?
弟――!
……そう。
この銀髪の綺麗な、ナマイキな子は、正真正銘、男の子だった! 正直、今までどっちだろうと迷ってたので、すっきりする。
タメ学年で、男同士。実力は未知数。うん、全てはこれからだ!
「――あらためて」
黒髪の少年が晴れ晴れと名乗った。
「九尾ワープだよ……」
対して銀髪の少年も、涼やかに応じた。
「羽生ドールだ」
「よろしく、羽生くん……」
「よろしく、ワープクン」
「……ドールくん?」
「ワープクン」
「……ドールくん」
「ワープクン」
「ドールくん」
「……フン。ばーか」
「なんでだよ、あはは……!」
そういうことになったのだった。




