表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/65

36

 そうとなれば、いよいよ――!

「説明のため、時間と地点を簡単にするよ……」

 ワープが山越え作戦を、本気で語り出した。

「スタート地点をS、ゴール地点をG、障害である山のこちら側をA地点、向こう側をB地点とするんだ……。

 仮に正午スタートだとして、普通だったらこうなる。


挿絵(By みてみん)


 12:00 S S地点を元気よくスタート。

 13:00 A A地点に到達だ。普通ならここで、ゾーンアウト。ゲームオーバーとなる。

 14:00 B B地点に到達。山を大きく回り込んで、再びゾーンインしたんだが、しかし……。

 15:00 G G地点にゴール。判定は当然ペケ。やるだけ無駄だった……。


 そこで、僕のMT(トレード)能力を使ったとしたら、どうなるか? こうなる。


挿絵(By みてみん)


 12:00 S スタート。

 13:00 A 到達。ここで、MT。

      障害が解消された(たとえばトンネルがある)別世界と、環境を交換する。

 13:30 B 到達。トンネルのおかげで早く着いた。ここでまたMTして、世界を元に戻す。

 14:30 G ゴール。判定は……マルだ。


 ただし、これは理屈上だ。今回のような何キロにも及ぶ、そんな大規模なトレードはしたことない。影響が大きすぎて、現実に何が起こってしまうか、想像するだに恐くてとても実行できない……。


 そこで、逆に、ぼくらの方が別世界に出向くことにするんだ。

 僕のWT(別世界旅行)能力を使ったとしたら、こうなる……。


挿絵(By みてみん)

(破線はゼロ時間移動)


 12:00 S スタート。

 13:00 A 到達。ここで、WT。

      障害が解消された(たとえばトンネルがある)別世界に移動する。


 13:00(A)別世界のA地点にジャンプ。ジャンプ時間(移動時間)はゼロ秒だ。

      この時点で、現世から見ると、ぼくのパムホ反応は消滅することになる。

 13:30(B)別世界のB地点に到達。ここでWT。


 13:30 B 現世に帰還。再びゴールを目指す。しかしながら……。

 14:30 G ゴール。判定は……ペケだ。


 なぜなら、13:00の消滅の時点で、“システム”から注視されてしまうから。

 きみの言うとおり、“システム”は時空を超越してプレイヤーを観察できているのかもしれない。

 距離的な場所の移動が生じたとたん、査察を飛ばしてくる。

 自分は別世界にいて通信が途切れている訳だから、本人認証に対応できず、結果、ゲームオーバーとなる……。

 事実、ぼくがなかなかランクアップできないのは、これのせいなんだ……。


 そうなると、ぼくの能力よりか、きみの能力の方が、クリアできる可能性が高いんじゃないかと思えてくるんだが、どうだろう……?」


「いいよ、実にいい。続けて!」

 ドールが興奮気味にうながした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ