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ドールが優しい口調で厳しく追及する。
「昨夜キミは、演説をぶった。
『リューシィは尊敬に値する。そこに少し、ボクらがお節介できる余地はないものか』と。
それを受けての今だ。
さぁ、これはマジな話だ。
彼女が彼女のゲームを完遂できるよう、島家の苦境を救うべく働くことが、ボクらのできる“お節介”なのだろうか?
どうだい――?」
「……」
ドールの言葉に、ひたすら沈黙のワープ。
だが、それは卑怯だと覚悟したのだろう、ついに答えた。
「……違う」
顔を上げる。
「ぼくがリューシィに感動したのは、あくまで、呪いを打ち破ろうとするリューシィの姿勢に対してだ。純粋に、彼女の創ったゲームに関してのみのことだ……。
彼女のゲームのこころざしに、それに関することだったら、それこそ協力できるものなら何でもしたい、そう思わされた……」
首を振る。
「――このたびの借金問題は、これとそれとは、まったく別だ。
法人同士の、生々しい契約上の諍いであり、そこに他者の介在できる余地はない……。あのメガネの女子生徒さんも、気の毒に思うしか結局やれることはなかった……。その立場はそっくりそのまま、ぼくらに当てはまる。ぼくらは子供だからなおさらだ。
これは、ハッキリ――
島家の大人の皆さんが、自分で決断し、その結果を誠実に受け入れなきゃならない、現実なのだ……」
結論した。
「借金問題に関しては、ぼくらは見守ることしか許されないと思う……。
ぼくらが関わっていいのは、島の呪い、それだけだ」
ドール、指摘する。
「そもそも、リューシィの“ストレス”から、ボクらのお節介は始まった」
「ぐ……!」
「そのストレスは、つまり、島の呪いと、借金問題、双方から来ているものだったことが判明した。さらに言わせてもらえば、借金問題の方が、かなり比重が大きそうだ。
となれば、こっちをやっつけることで、かなり彼女はラクになるだろう」
「ぬ……!」
嗚呼、しゃべれないワープ! 汗を浮かべている。
「ウフフッ」ドールが笑んだのだった。「本当に、キミは――!」
「ボクは気分がいい。キミのこと、なんと好ましく思ってるからな。だから、助言しようとさえ、思ってる。めったにないことだから、せいぜい、有り難がれよ」
「……」
「なぁ、真面目なワープクン……」
「……」
「その通り。ボクらは、子供なんだ」
「!」
そして、言葉を吐いた。
「だったら、他人の思惑なんかどうでもいいとは思わない?
ボクらは子供らしくふるまえばいいんだよ……。
自分が楽しかったら、それでいいんだって!」
ちちち……という、野鳥の声。風の音――
やがて、ワープが言葉を発したのだった。
頑張ったのだろう、不器用な、精一杯の笑顔でだ、
「きみは、男前だなぁ。たいしたもんだ……!」
友に、最大級の評価を与えたのだ。
ドール、いつもの調子だった。「ダメだからね……」ニマッ。
「チンコは見せてやんないからね!」
そうしてようやく、二人して笑うことができたのだった。




