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 脱衣室で浴衣に着替え、廊下に出る。少し待ってると、紺色の暖簾を分けて、白タオルを頭に巻き付けたドールが現れた。

 二人して歩きかけて、思い出して振り返ると、暖簾にはちゃんと『男湯』の文字がある。しかも、今、奥からは、何やら多数の人の気配さえしていた。

 入っていって確かめたかったが、万一の、リューシィとの鉢合わせを考えて断念した。

 廊下を歩きかけ、またしても、あっと気づいて窓に寄り、外を見ると、すっかり夜空である。

 もう――頭を抱えるワープだった。

「さ、部屋に戻ろうよワープクン」

 含み笑いのドールだ。


 きっ、と顔を向ける。

 結局コイツは、最後までバスタオルを外さなかったし、ぼくを先に上がらせもした。

 ならば、言うことは一つ。

「チンコ見せろ……!」だった。

 はじけるように笑い出すドール。ヒクヒクとなりながら、

「襲いかかってきたら、即、レイプとして訴えるからね、アハハッ」

 笑いながらも、ちゃんと釘をさす。

 言えるのは今だろう。ワープは口を開いた。

「きみ、その浴衣の下は、ハダカだろ? 思い返せば昼間もそうじゃなかったか? 下着をつける習慣がないのか、それとも――?」

「そういうキミこそどうなのさ?」否定もせず、逆に問い返してくる。

「下着は着てるものの、それは“今までと同じもの”だ。替えの衣類は持ってきてないんだろ? そもそも荷物ったら、あの若草色の“軽い”旅行鞄ひとつきりじゃないか」

「そういうきみなんて、まったくの“手ブラ”じゃないか……」

 ドールが今手にしている、開襟シャツとデニムパンツに目をやる。

「いつの間にか、“新品のようにきれいになってる”し……」

「“そっち”もね、フフン」

「……」


 今コイツと喧嘩するわけいかない。ゆるゆると、ため息をつくワープだ。

「なにしろ、魅惑のリューシィとの、ラインがかかってるからねェ、あはっ?!」

 人の心を読むドールだった。


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