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憧憬 ルーフェイア・シリーズ02  作者: こっこ
Chapter:4 再会
29/33

Episode:29

「けどお前、ヤなんだろ? ガッコ行きたいんだろ?

 じゃぁ、そう親に言えよ」

「……だめ……」


 呆れる。

 ンなとこ頑固じゃなくたって、構わねぇだろうに。

 けど何度言っても、こいつは首を縦に振ろうとはしなかった。泣きながら、「だめ」の一点張りだ。


「お前、頭冷やせよ!

 今度はどうにかなったって、次はねぇかもしれねぇだろ!」

「だって、だって……」

 泣きじゃくる。

「やめて……言わないで……」

 泣きながらこう言われると、俺も弱い。


「その、だからさ、ともかく親に言ってみろよ。ちゃんと『イヤ』だって」

「………」

 そこへ、呼び鈴の音が響いた。

「お、お客さん……?」

「お客ってなぁ」


 医者に来るのはお客じゃなくて、患者だ。

――もっともそれじゃ、困んだけど。

 診てもらいに来る人に「帰れ」っつーのは、ちょい楽しくない。

 もっかい呼び鈴が鳴った。


「どなたかいらっしゃいませんー?」

「すいません、いま開けるんで」

 慌てて走ってって、ドアを開ける。

「すいません、今ここ医者が……あれ、もしかしてルーフェイアの?」


 ドアの外に立ってたのは、大人が二人。男と女だ。んで女の人のほうが、髪とか瞳の色とか顔立ちなんかが、ルーフェイアと似てる。

 これはどう考えたって、こいつの親父さんとおふくろさんだろう。


「じゃぁ、あなたが連絡くれたのね? ルーフェイアは今どこかしら?」

 おふくろさん(たぶん)が、俺にいきなり訊いてくる。

 それをルーフェイアの声がさえぎった。


「かあさん! いきなり質問攻めにしたら、だめよ」

「――なんか、元気そうね」

「うん」

 いつの間にやら涙も拭いちまって、あの落ち込んだ様子なんざ微塵も感じさせない。


――バカかよ。


 あれだけ嫌がってたってのに、親の前じゃ知らん顔してる。

 まぁもしかしたら、親子ってのはこゆもんなのかもしれねぇけど。

 ただなんせ俺、さっさと親父もおふくろもいなくなっちまったから、そのあたりはよく知らなかった。

 ンなこと考えてる間にも、ちゃっちゃと話は進んでる。


「いまね、朝ご飯……食べさせてもらってたの。

 その、太刀取ってくる」

 ルーフェイアのヤツが、ひょいと奥へ引っ込む。

 俺も思わず後を追った。


「おい、ホントに行くのか?」

「――うん。

 迎えに来てくれたのに、待たせてられないから」


 またか、そう思う。

 どう見たってこいつの本心は、そんなとこには、ない。


「いいかげんにしろよ! お前、ホントはンなこと思ってねぇだろ!」

「でも!」

 珍しく、ルーフェイアの口調が強くなった。


「でも、これはあたしの、あたしの……!」

「だから、頭おかしいってんだよっ!

 だいたい、お前が学校――」

「だめっ! それ言わな――」

「あんたたちやめなさいっ!」


 もひとつかぶった迫力の声に、思わず二人で黙る。



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