野宿
夜は焚き火をして、川で釣った魚を皆でたべた。釣りっていうのはこんなに楽しいということも知った。
そして、その魚はたべたことのない魚だった。にゅるっとした歯ごたえで味はまずまずだ。薄暗い灯りのなかでみんなで話を始めた。
エレンは「見習いのトントといったか、アルダの民衆は今どうなっているんだ?」と聞いた。
「民衆の方々は逃げていきました。残っているのは内乱を起こした人たちだけでしょう。僕の家族は戦いに巻き込まれて死んでしまいました…」
「悪いこと聞いちまったな、トントはこれからどうすんだ?」
「行くあてがありません、また違う国に移り住むつもりです。」
「それなら、ぼくらと一緒に来ないかい?ちょうど、魔法使いを仲間に入れたいと思ってたんだ!」と僕は誘ったけれど、彼は曖昧にはいと言っただけだった。
そういえば、聞きたいことがあるんだった、トントは見習いなので異世界からの帰り方はわかっていなそうだ。でも、聞いてみよう。
「トント、僕はね、違う世界からここに来てしまったんだけど、なにかそれについて知ってないかい?」
「似た話を聞いたことがあります、魔法学校で聞いたことなんですが…」と彼が話かけた瞬間、エレンが「待て、静かにしろ!」と言った。