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魔法使いの見習い
ゴンが突然止まったかとおもうと、進んでいる道の脇にある森に人影が見えた。グーも警戒して吠えている。もしかしたら…盗賊かもしれない…
その人影はこちらに向かって来た、エレンは剣をとっさに引き抜いた。しかし、それは盗賊ではなかった。革のローブ羽織った少年だった。少年はなにかを言いかけて気を失った。
その少年が起きた時、もうアルダ王国に着くところだった。少年は「アルダには行ってはいけない…」と弱った声で言う。なにかあったのだろうか…
「アルダは今、ある魔法使いの一団が内乱を起こしたんです…」
エレンは頷いて「それなら、今日は森のなかに野宿して様子を窺ってみよう。」と言った。
「内乱てことはもう王国は壊滅寸前なのかい?」
「ええ、もう国王も他の国へお逃げになりました。おそらく、魔法使いが戦いに勝利したのでしょう。」
「それはお気の毒だな、君はなんていうんだい?年齢は僕と同じくらいだね!」
「僕はトントといいます、そして魔法使いの見習いです。」と彼は言った。話しているうちに夜になった。