魔法使いの家
市場をぬけてしばらく歩くと、ツタがおしゃれ?にからまっている古びた家を見つけた。こんなところに住んでいるのだろうか。僕らがその家に着くと、来ることを予知していたかのようにちょうどドアがパタンと開いた。
「エレンか久しぶりだな、元気にしていたか。トントのほうは召喚といくつかの魔方陣を習得したぞ。やつはのみこみが早いし、教えやすかったぞ。」
「俺らのなかでは、秀才ってことになってるんじゃねえかな。ところで、アルダのことは知っているか?」
「あぁ、奴らはどんどん力を強めている。わしも自分で調査しているところだ。」
「さすがだな、ズンドラ師匠は!」
「この人、エレンの師匠だったの?だって、エレンは剣士じゃなかったの?」
「マルク、巨人を倒すとき地鳴りのような音がしましたね。それはたぶん魔法だったのでしょう。剣も魔法も使える人はあまりいませんがね。」とトントはいきなり話に割り込んできた。
「まあ、大体その通りだ。トント、よさじゃねえか。」
「ええ、もう色々なことができますよ。前の自分が恥ずかしいくらいですよ!」
「まあ、話をもどすぜ、みんな。師匠、これから俺らは何をすればいいんだ?」
「お前もわかっているだろう、戦争が起こる。ここは大魔導師ムルパットに助けをこうのが懸命だろう。ここは、エレン、お前らが彼に会ってきてくれないか?わしはこれからハータムの軍隊を集め参謀たちと戦略を練らねばならん。」
「わかった、でも、あの人がいるのは魔法都市だろ?行きたくねえな。」
「ごちゃごちゃ言ってないで行ってこい。まったく、お前は昔から口だけは達者だからな。」彼は笑って僕らを見送った。




